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医学部は留年が多い?その理由と留年しないポイント

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医学部受験で合格をつかむことは大切ですが入学した後の生活に目を向けてみることも大切でしょう。

医学部は他学部に比べて留年率が高いという話は聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

このコラムでは、医学部は留年が多いのか、その理由と大学別の留年の多さ、留年しないようにするためのポイントについて解説します。

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医学部は留年が多いのか?

結論からいうと、医学部は他学部に比べて留年が多い傾向にあります。

学校基本調査 / 令和2年度 高等教育機関卒業後の状況調査 大学のデータをみると、修業年限が4年の学部、つまり医学部以外の学部でのストレート卒業率は88%となっています。

一方で、医学部医学科のストレート卒業率は83%となっています。

他学部に比べてストレートで卒業できる割合が少ないことがデータから読み取れます。

医学部は留年が多い理由

ではなぜ医学部は他の学部と比べて留年する可能性が高いのでしょうか。

①進級規定が厳しい

医学部と他学部の大きな違いの一つに、進級規定があります。

大学の進級規定といったときに多くの人が想像するのは「2年次終了までに教養課程を40単位以上取っていれば進級可能」や「外国語科目を2年次までに履修していれば進級可能」などといったものでしょう。

一方、多くの医学部では1年次から「必修科目を一科目でも落とした場合は留年」という進級規定を定めている大学が多いです。

また、一部の科目の単位を取得することができずに留年してしまった場合、次年度に取得できなかった科目だけではなく、該当する学年の単位を全て取り直す必要がある大学も少なくありません。

留年が学生に与える精神的負担は計り知れません。

②燃え尽き症候群

燃え尽き症候群も医学部によく見られる現象です。

昨今の医学部人気に伴い、多くの人は医学部受験を突破するにあたって必死に受験勉強をしてきた人ばかりです。

医学部合格というゴールを通過した途端に気が抜けてしまい、勉強への熱意がなくなってしまう人も少なくありません。

基礎医学を学習する低学年では燃え尽き症候群が特に起こりやすい傾向があります。

医学部の低学年は科目数も多く難易度の高い科目も多いため、燃え尽き症候群になってしまうとストレートでの卒業がますます難しくなってしまいます。

③医師国家試験合格率の維持

医師国家試験での合格率を維持するために自大学の卒業試験で医師国家試験に合格する見込みのない人を不合格にし、六年生に原級させることで医師国家試験自体を受験させないという策を講じている大学もいくつかあります。

この現象は特に私立大学医学部で多く見られます。

医師国家試験の合格率は入試の人気につながってくることも多いため各大学はかなり注意を払っていると考えられます。

④専門科目の難易度が高い

①でも一部触れましたが、医学部の大学の授業は他学部に比べて科目数が多く、各科目の難易度も高いです。

具体的には低学年(1、2年次)では基礎医学を学び、中学年(3、4年次)では臨床医学を勉強します。

また高学年(5、6年次)からは臨床実習も始まります。

医学部のカリキュラムの中で基礎医学は難易度が高いです。

基礎医学には解剖学、生理学、生化学などの科目があり、どの科目も量が膨大で覚える範囲も広いです。

また、どの学年にも実習が含まれていることが多く、座学と実習を同時並行でこなさなければならないことも医学部特有のきつさだということができるでしょう。

【大学別】医学部の留年の多さ

大学別の留年の多さを見ていきましょう。

国立大学医学部

大学名ストレート卒業率
大分大学100.0
愛媛大学99.0
和歌山県立医科大学97.6
三重大学96.0
名古屋大学95.7
浜松医科大学94.2
札幌医科大学92.7
神戸大学92.3
東京大学92.0
鹿児島大学91.5
京都大学91.0
富山大学91.0
秋田大学90.6
名古屋市立大90.5
福島県立医科大学90.0
金沢大学89.7
千葉大学89.5
岐阜大学88.8
東北大学88.1
広島大学87.5
佐賀大学86.8
北海道大学86.6
九州大学86.6
長崎大学86.0
横浜市立大学85.6
東京医科歯科大学85.2
大阪大学85.2
香川大学85.1
京都府立医科大学85.0
旭川医科大学84.0
山口大学83.8
福井大学83.5
弘前大学83.5
筑波大学83.3
山形大学82.4
新潟大学82.0
信州大学81.7
大阪市立大学81.1
岡山大学80.0
宮崎大学80.0
奈良県立医科大学79.3
熊本大学79.3
琉球大学78.6
鳥取大学78.2
群馬大学77.2
高知大学76.5
滋賀医科大学76.1
山梨大学75.2
徳島大学72.8
島根大学67.9

私立大学医学部

大学名ストレート卒業率
東邦大学100.0
順天堂大学96.1
自治医科大92.7
東京女子医科大学92.0
獨協医科大学91.7
久留米大学90.4
慶應義塾大学90.3
東京慈恵会医科大学90.1
金沢医科大学84.3
藤田医科大学83.6
北里大学83.3
昭和大学83.1
大阪医科大学81.8
産業医科大81.0
兵庫医科大80.7
関西医科大80.4
東京医科大79.2
埼玉医科大学78.1
愛知医科大学77.4
日本医科大学77.2
東海大学76.5
聖マリアンナ医科大学75.7
岩手医科大学74.6
近畿大学74.5
福岡大学74.5
日本大学68.5
杏林大学68.4
川崎医科大学65.8
帝京大学65.0

国公立大学と私立大学を比較してみると、私立大学の方が留年率は高くなっている傾向があることが分かります。

各大学ごとで試験の難易度や進級規定などは多少の差があり、その差が留年の要因になっていると考えられます。 

留年しないためのポイント

医学部での留年率は他学部を上回る一方で、留年してしまうとその後のキャリアに影響する可能性もあります。

また精神的な負担も大きいでしょう。

ではここからは医学部で留年しないために何を気を付ければよいのかということについて解説していきます。

①試験は情報戦

医学部で留年してしまった人に話を聞いてみると「一生懸命勉強したのに…」という人が少なくありません。

一方で実際は医学部の試験は情報戦であることがほとんどです。

医学部の試験において大切になる情報は

・過去問

・先生が授業中に試験に関して言及していたこと

・留年する科目かどうか(再試験の難易度や合格基準など)

の3つです。

定期試験の過去問の問題、解答解説が先生方から提供されることは珍しいです。

各科目の出題傾向を把握するためには部活の先輩をはじめとする仲の良い先輩から過去問をもらうことが大切です。

また国家試験やCBTなどにおいても過去問集は市販されていますが、その金額は非常に高いです。

これらの試験に関しても過去問題集を先輩方から譲り受ける文化があります。

このように、医学部での情報収集においては同級生との横のつながりも大切ですが、それと同じくらい先輩との縦のつながりも大切になります。

この3つの情報に関して普段からアンテナを張って情報を集めておくことが大切です。

実際、医学部の試験は同じ名前の科目であっても大学ごとに出題形式や取り扱う内容などが大きく異なります。

そのため、留年しないためには「その科目に関する理解を深める」ということではなく、「実際の試験でどこが出題されるのか」に目を向けることが鍵となってくるでしょう。

②勉強方法を早めに確立させる

大学入試までは予備校のカリキュラムにのっとって勉強を進めていけば合格することができるのが医学部入試ですが、医学部の試験では勉強の仕方を提示してくれる人などだれもいません。

そのため勉強法は自分で見つけていく必要があります。

市販の参考書を勉強する大学受験とは異なり、教科書で勉強するのはかなり効率が悪いです。

勉強する教材の優先度は過去問、先輩からの引継ぎ資料やまとめノート、最後に教科書などの網羅的な教材です。

先ほども述べたように科目自体の理解度があまりなくても試験に特化した対策をすれば乗り越えられるのが医学部の試験です。

そのため大学受験で確立した自分の勉強をいま一度見直し、医学部の試験で点数をとる勉強法を考え直すことが大切です。

低学年のうちは試験慣れしていないために勉強の仕方に困ってしまうことがあると思いますが、部活の先輩や同級生など周りの意見も参考にしながら試験に出るポイントをうまく見極められるようになるとよいでしょう。

まとめ

ここまで医学部の留年について解説しました。

医学部では他学部に比べカリキュラムも過密で、休みも少ない傾向にあります。

日々一生懸命勉強に励む中でも気分転換の時間をうまく作り、リフレッシュして切り替えることによって充実した学生生活を送ることを心がけるとよいでしょう。

また、同級生などからもこまめに試験に関する情報取集を行い日ごろからコミュニケーションをとるように心がけることも効果的です。

医学部での6年間は大変だとは思いますが日々の努力を積み重ね、乗り越えていきましょう。

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この記事の監修者 COE

慶應義塾大学医学部に在籍。

これまで家庭教師として20人以上の生徒を指導。特に理数系の指導に自信あり。

医学部受験予備校アガルートメディカルで現役コーチとして受験生をサポート、指導中。

医学部受験生に役立つ情報を発信。

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