【医学部受験】化学の最強勉強法!有機・無機・理論などの攻略法を解説
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理科の科目選択においては一般的に物化選択か化生選択に二分され、低学年のうちから化学の受験勉強に着手する受験生も多いのではないかと思います。
この記事では医学部受験の化学の特徴や勉強法のノウハウについて、詳しく解説していきます。
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目次
医学部受験で化学を選択することの必要性
まずは医学部受験において、化学を選択する人が多い理由について見ていきます。
医学部受験においては化学・物理・生物の中から二教科選択という場合が多いです。一方で科目選択が特殊な大学もあります。
化学に関係するものをまとめて見ると以下のようになります。
群馬大学(二次試験 物理・化学必須)
金沢大学(二次試験 物理・化学必須)
山口大学(センター試験 化学必須)
愛媛大学(二次試験 物理・化学必須)
九州大学(二次試験 物理・化学必須)
佐賀大学(前期センター・二次試験 物理・化学必須)
宮崎大学(後期二次試験 化学必須(1科目))
上位校の場合、理科の科目選択は自由度が高い場合が多いですが、上位校の志望者であっても共通テストで万が一失敗してしまったことを考えて化学を選択するのだと考えられます。
また医療系学部を併願することを考えた場合、薬学部を併願する可能性も出てきます。
薬学部の多くは二次試験で化学選択を必須としていることも理科の科目選択において考慮したいですね。
ほかにも世の中に出回っている参考書が理科四教科の中でダントツに多いことや、学校のカリキュラムで化学が必修とされている場合が多いことも化学選択が多い要因として考えられます。
医学部入試の化学の概観
まずは化学の出題範囲について見ていきましょう。
理論化学
(1) 物質の状態と平衡
ア 物質の状態とその変化
(ア) 状態変化 物質の沸点,融点を分子間力や化学結合と関連付けて理解すること。また,状態変化に 伴うエネルギーの出入り及び状態間の平衡と温度や圧力との関係について理解すること。
(イ) 気体の性質 気体の体積と圧力や温度との関係
(ウ) 固体の構造 結晶格子の概念及び結晶の構造
イ 溶液と平衡
(ア) 溶解平衡
(イ) 溶液とその性質
ウ 物質の状態と平衡に関する探究活動
(2) 物質の変化と平衡
ア 化学反応とエネルギー
(ア) 化学反応と熱・光
(イ) 電気分解
(ウ) 電池
イ 化学反応と化学平衡
(ア) 反応速度 反応速度の表し方及び反応速度
(イ) 化学平衡とその移動 可逆反応,化学平衡及び化学平衡の移動
(ウ) 電離平衡 水のイオン積,pH 及び弱酸や弱塩基の電離平衡
ウ 物質の変化と平衡に関する探究活動
無機化学
(3) 無機物質の性質と利用
ア 無機物質
(ア) 典型元素 典型元素の単体と化合物の性質や反応を周期表と関連付けて理解すること。
(イ) 遷移元素 遷移元素の単体と化合物の性質や反応について理解すること。
イ 無機物質と人間生活
ウ 無機物質の性質と利用に関する探究活動 (4) 有機化合物の性質と利用
有機化学
(4) 有機物質の性質と利用
ア 有機化合物
(ア) 炭化水素
(イ) 官能基をもつ化合物
(ウ) 芳香族化合物
イ 有機化合物と人間生活
(ア) 有機化合物と人間生活
ウ 有機化合物の性質と利用に関する探究活動
(5) 高分子化合物の性質と利用
ア 高分子化合物
(ア) 合成高分子化合物
(イ) 天然高分子化合物
イ 高分子化合物と人間生活
(ア) 高分子化合物と人間生活
ウ 高分子化合物の性質と利用に関する探究活動
ここで重要なのは、それぞれの分野における必要な暗記力と理解力の比率の違いでしょう。
理解力 | 暗記力 | |
理論化学 | 8 | 2 |
無機化学 | 2 | 8 |
有機化学 | 6 | 4 |
では具体的に医学部受験の化学にはどのような力が必要になってくるのでしょうか。
医学部受験の化学で必要となる力
①問題文を正しく把握する能力
化学の問題は数学のように簡潔には書かれていませんし、物理のように図を用いて視覚的に状況を捉えやすくなっているわけではありません。
特に滴定の問題を中心に言えることですが、どの操作をどこまでやり終えているのかということを図式化してまとめる能力が化学には必要です。
これに関しては「効率の良い」書き方の情報は出回っていないため、低学年の頃から試行錯誤することが大事になります。
②理論化学の計算を正確に遂行する能力
これは医学部受験に限らず必要な力です。
特に酸塩基平衡と酸化還元反応、平衡の分野は頻出です。また理論化学で用いるmol計算や滴定の計算は無機化学や有機化学の計算の基礎となります。
化学の問題は三つにパターン分けされます。
・計算力を問う問題
・知識力を問う問題(無機化学の知識・理論化学の計算問題など)
・思考力を問う問題(有機化学の構造決定など)
この中で最も点差がつくのは計算問題です。
化学の計算問題の多くは立式に関しては難易度が低いものの、計算が煩雑で結果正答率が低くなってしまうものが多くあります。
①でも述べたような状況を正しく把握する力がかなり大切になってきます。
③無機化学の暗記事項の定着
知識問題については基本的にミスは控えたいところです。
というのも計算問題以上に「出来て当たり前」という色が強い分野だからです。実験器具の扱いにおける注意点や沈殿物の色などは理論化学と関連性が強い分野です。
無機化学の知識はそれ単体で大問が作られるというよりかは、理論化学や有機化学の大問に混ざって出題されることが多いので日ごろの学習において正解した大問であっても解説を読み込んで知識を蓄えられるとよいでしょう。
④有機化学-生化学と関連させた構造決定-
これに関しては医学部化学に特有です。
アミノ酸や高分子化合物の知識の出題が一定量あります。一般的にはこれらの分野の知識は二次試験で問われることは稀で、問われたとしてもセンター試験・共通テストレベルの知識があれば十分であるとされていますが、医学部受験においてはもう少し踏み込んだところまで出題されます。
またこれらの知識は構造決定の一部として出題されることもあり、出来なければその後の設問全ての失点につながるリスクもあるので要注意です。
医学部受験における化学の問題の特徴
解答欄が穴埋め式
東京大学を除く全ての大学で短答式の問題になっています。
そのため途中過程が合っていたとしても、計算を最後まで合わせきることが出来なければ点数は一切得られません。
また前の設問の答えを利用することも多いため、1つミスが起こるとそれに付随する失点が大きくなります。
論述問題が出題されることが多い
論述問題が必ずと言っていいほど出題されます。
単に知識の丸暗記に徹していないかということを確認させるためのものもありますが、多くは頻出のものになります。化学の記述に特化した問題集も出版されていますが、入試で差がつくレベルの問題は市販の参考書に載っているものを完璧にすれば十分でしょう。
筆者はセミナー化学の論述問題などを活用しました。
有機化学で生化学関連問題の出題比率が高い
医学部受験化学の一番の特徴だということが出来ます。
例えばタンパク質やアミノ酸の関連問題について大問1つ分を使って出題したり、構造決定の問題の答えが医学的に重要な化合物になったりします。
3つのアミノ酸(グルタミン酸、システイン、グリシン)から成るトリペプチド、「グルタチオン」はその典型例ですね。
これらについては事前の対策をすることはかなり難しいので、新規問題に対する対応力を付けていくことが重要になります。
過去問演習によって各大学ごとに「どのレベルの知識が要求されるのか」ということが必要です。
医学部受験で化学の対策と気を付けるべきこと
①低学年のうちは理論化学を定着させるー下手に背伸びしないー
高校1年生、高校2年生の間は理論化学を集中的に勉強しましょう。
この理由は、
①無機化学を中心とした知識暗記は低学年のころから定着させるより直前詰め込み型の方が効率が良い
②無機化学、有機化学分野は問題数が少なく短期間で必要十分な演習が行えるとともに学習過程であまり面白さに触れられない
③学習のペースは学校のカリキュラムと足並みを揃えた方がよい
ことなどがあります。
理論化学は約10分野(参考書によって分類の仕方は違いあり)あり範囲が膨大です。一通り目を通すだけでかなりの時間を要するのは明らかでしょう。
また化学は物理などとは異なりそこまで高度な数学の知識は必要ではないため、低学年から学習を始めても問題はありません。
一方で早期から学習を始めるにあたって無機化学や有機化学の分野に無駄に背伸びしてしまうことはやめましょう。
それは前述の理由もありますし、計算力は知識力に比べて持続性があるので低学年の頃に頑張って損は絶対しないためです。
②知識を暗記することをサボらない
理論化学をある程度マスターしてくると得点が安定します。
有機化学も問題の誘導にきちんと乗ることが出来れば完答を狙える問題も多いですし、点数的にもかなり余裕が出てくるでしょう。ここで知識や論述問題のトレーニングが面倒くさくなってくるかもしれません。
結論からいうとそれはかなり危険なリスクを抱えています。
本番でもし問題の状況把握が冷静にできなくなったら…、構造決定でアミノ酸の構造をド忘れしたら…など入試本番ではなにが起こるかわかりません。
筆者も得意としていた化学で連鎖ミスを起こし本番では失敗してしまいました。
そんな時に救いとなるのが無機化学の知識です。化合物と色など一対一対応しているものが多く一問一答形式で暗記の仕方も単純なため、思い出すことには苦労しません。
たしかに量はそれなりにあり面倒くさいとは思いますが、いざとなった時のリスクマネジメントとしてしっかり定着させておきましょう。
一問一答用の参考書も出版されています。
③問題集は質も大事だが、慣れてきたら量をこなすことも意識しよう
化学は選択する人が多くいることから沢山の参考書が出版されています。
自分のレベルにあった参考書も見つけやすいです。
「量より質」
これはよく聞く言葉です。
たしかに物理や数学など他の理系科目の学習ではこの言葉は当てはまりますが、化学に関しては一概にそうとは限りません。たしかに低学年のうちは教科書を読み込み「なぜその答えになるのか」など原理に照らし合わせて考えることが重要です。
平衡や酸塩基滴定の分野では、一問一答方式に覚えているようであれば本番で少し捻られただけで太刀打ちできなくなってしまいます。
一方で何度も述べているように化学の問題は計算問題の側面もあります。小学生の計算ドリルを解いた経験がある人なら分かると思いますが、計算問題はミスの原因の追求ということよりかはとにかく計算をするということが大切なのです。
つまり演習量もかなり大切になってくるということです。
演習量が大事になる分野は理論化学と有機化学の構造決定の分野です。
その分野の問題のミスで方針立てではなく計算ミスが増えてきたときにこれを意識すればよいでしょう。大体高校3年生の春から夏あたりで計算ミスのスランプで悩まされることが多くなります。
医学部受験の化学勉強法まとめ
このコラムでは医学部受験化学の注意点について述べました。
化学は暗記しなければならない知識の量はありますが(他の科目よりは少ないはずです!)、有機化学の分野はパズルを解く感覚で楽しめるのではないかと思います。
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