医学部は文系でも合格できる!数学が苦手でも受かる抜け道入試制度9選
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文系だけど医学部に入りたい。
医学部を目指したいけれど、どうしても数学に時間を割けない、成績が伸ばせない。
という受験生のお悩みに応えて、最後の切り札として文系でも数学が苦手でも医学部合格を目指せる裏技を9個紹介します。
皆さんの進路、状況に合わせて選択肢のひとつとして検討してみてください。
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目次
文系でも医学部に合格できる理由
- 多くの国公立医学部は、大学入試共通テストにおいて文系科目の受験が必須なため
- 文系科目が得意であれば、余った時間を他の科目の学習に使えるため
- 医師という職種は、文系と理系両方のスキルを必要とするため
文系からでも医学部合格は可能です。まず、文系が強みとなる点としては、国公立医学部の入試では、共通テストの国語・英語・社会といった文系科目が必須科目とされていることが多いことです。なので、文系科目が得意であれば他の科目への学習時間を確保することができます。
次に、医師という職業が文理両方の要素を必要とするからです。医学部は医師に必要な知識と技術を学ぶ場ですが、医師の仕事は理系の知識だけがあればいい、というわけではありません。
患者とのコミュニケーション能力や、適切な治療法を選ぶための判断力など、文系の能力も求められます。
医学部はなぜ理系だと思われているのか?
- 医学部受験では難易度の高い理系科目を避けて通れないから
- 仕事の中で論理的な思考力などの理系的なスキルが必要になるから
まず、医学部受験では難易度の高い理系科目を避けて通れません。科目の難易度は大学によって異なるものの、一般的に医学部の理系科目(数学・理科)は他の科目より難易度が高いとされます。
次に、医師は患者の診察を行う際に、過去の治療経緯や現在の症状といった多角的な視点から診断を行います。この複雑な視点から総合的に判断するには、論理的な思考力が必須となります。
このように、職業として理系的なスキルが必要ということが「医師=理系」というイメージに思われている理由の一つです。
文系から医学部に合格する9つの方法
そもそもの医学部の入試形態について、この記事では特に日本の制度を中心に紹介し、海外の制度についても少し紹介していきます。
ひと口に医学部入試といっても、制度は多岐に渡ります。
【日本の大学の医学部】
高校卒業後
→①一般入試→A.一般枠(前期日程/後期日程)、B.地域枠
→②推薦入試→A.一般枠、B.地域枠、C.附属校からの進学
→③総合入試
大学入学後
→④転部(転学部)
大学卒業後
→⑤学士編入、⑥再受験
※⑦医学部医学科以外
【海外の大学の医学部】
高校卒業後→⑧受験
大学卒業後→⑨再受験
次の章ではそれぞれの選択肢について、詳しく説明していきましょう。
日本の大学の医学部
①一般入試
A.一般枠
一般入試一般枠においては前期日程と後期日程があります。
まずは前期日程について、数学の難易度と配点の割合に注目して説明します。
【数学が簡単な医学部】
・国立大学医学部
総合大学では、一部または全部の試験問題が他の理系学部と共通なことが多いです(福井大学医学部、大分大学医学部を除きます)。
問題が他の学部と共通であれば、難易度も抑えられていることが多いでしょう。
一方、医科単科大学(旭川医科大学、札幌医科大学、福島県立医科大学、東京医科歯科大学、浜松医科大学、滋賀医科大学、京都府立医科大学、奈良県立医科大学、和歌山県立医科大学)は、医学部独自の問題であるため、数学の難易度が高い傾向にあります。
要求される知識水準が非常に高いことで知られています。
・私立大学医学部
私立御三家(慶應義塾大学医学部、慈恵会医科大学、日本医科大学)を始めとする一部大学を除くと、難易度は国立大学に比べて抑え目です。
マーク式の大学も多くあります。
特に多くの受験生が苦手とする数3が範囲に含まれない帝京大学医学部、近畿大学医学部は狙い目でしょう。
大学名 | 数学の得点/総合得点 | 数学の割合(%) |
帝京大学医学部 | 100/400 | 25.0 |
近畿大学医学部 | 100/400 | 25.0 |
その他、金沢医科大学、自治医科大学、昭和大学(I期)、久留米大学などは、数学の難易度が比較的低いと言われています。
いわゆるセンター利用、大学入学共通テストの得点を利用した入試制度を設けている大学もあります。
【数学の割合が低い医学部】
二次試験における数学の割合は30%ほどの大学が多いです。
国立大学医学部、私立大学医学部に分けて、二次試験における数学の割合が低い順に一覧にしました。
一次試験の数学の配点を加味していないのは、センター試験や大学入学共通テストレベルの基礎問題であれば、センスや才能によらず努力でカバーできる部分が大きいからです。
国立大学医学部
順位 | 大学名 | 数学の得点/総合得点 | 数学の割合(%) |
1 | 広島大学医学部A方式 | 300/1800 | 16.7 |
大分大学医学部 | 100/600 | 16.7 | |
3 | 佐賀大学医学部 | 80/400 | 20.0 |
4 | 筑波大学医学群 | 300/1400 | 21.4 |
名古屋市立大学医学部 | 150/700 | 21.4 | |
6 | 鹿児島大学医学部 | 200/920 | 21.7 |
7 | 秋田大学医学部 | 100/400 | 25.0 |
信州大学医学部 | 150/600 | 25.0 | |
京都大学医学部 | 250/1000 | 25.0 | |
熊本大学医学部 | 200/800 | 25.0 | |
琉球大学医学部 | 200/800 | 25.0 |
総合得点には、得点が公表されている大学については面接試験、小論文の点数を含みます。
なお、弘前大学医学部は二次試験で総合問題(300点)が課され、数学という科目自体がありません。これについては後ほど触れます。
私立大学
順位 | 大学名 | 数学の得点/総合得点 | 数学の割合(%) |
1 | 帝京大学医学部※ | 0/400 | 0.0〜25.0 |
2 | 聖マリアンナ医科大学医学部 | 100/600 | 16.7 |
3 | 東京医科大学医学部 | 100/500 | 20.0 |
福岡大学医学部 | 100/500 | 20.0 | |
順天堂大学医学部 | 100/500 | 20.0 | |
埼玉医科大学医学部 | 100/500 | 20.0 | |
7 | 岩手医科大学医学部 | 100/450 | 22.2 |
8 | 兵庫医科大学医学部 | 150/650 | 23.0 |
総合得点には、得点が公表されている大学については面接試験、小論文の点数を含みます。
※帝京大学医学部
数学、国語、物理、化学、生物の5科目の中から2科目を選択することができます。
「理科と国語」または、理科の中から2科目を選択すると、数学を受験する必要はありません。
次に一般枠のうち後期日程について説明します。
国立大学の後期日程においては、大学入学共通テストの得点率がまずは最重要視されます。
それに追加で各大学ごとに学科試験や面接試験、小論文が課されます。
数学が苦手であれば、学科試験で数学が課されない大学を選びましょう。
後期日程においては数学が課されない大学の方が一般的です。
数学が課されるのは千葉大学医学部、山梨大学医学部、岐阜大学医学部、奈良大学医学部の4校にとどまります。
B.地域枠
医師の地域格差を解消するため、卒業後に特定の地域で医療に従事することを条件に、一般枠と別に設けられた制度です。
枠に対して応募者が少ないため、一般枠より倍率が低いものが多いです。
一部、地元出身者枠として出身高校または居住地に制限がある場合があります。
これについては別の記事で詳しく解説しています。
②推薦入試
推薦入試A.一般枠、B.地域枠、C.附属校からの進学については別の記事で詳しく紹介しています。
③総合入試
学力の優秀さのみならず、問題解決のための思考力、判断力、主体的行動力に富む受験生を選抜する制度です。
そのために学科試験よりも適性試験や面接試験が重要視されます。
海外では一般的ですが日本ではまだまだ普及していない先進的な制度と言えるでしょう。
今後ますます増えていくのではないでしょうか。
各大学ごとに、高校卒業からの年数(概ね卒後1年まで)、高校の評定平均(4.0前後)、そして合格した場合入学を確約できることという3つの出願資格への制限があります。
募集要項をよく確認しましょう。
北海道大学医学部
入学後に1年次の成績と学生の希望によって2年次以降に所属する学部を決めることができる制度があります。
入学後年は入学者全員が総合教育部に所属し、幅広い教養科目、基礎科目を学びます。
1年次で理系カリキュラム専攻後、振り分け制度によって医学部に進学することが可能です。
弘前大学医学部
一般入試の枠でありながら、共通テスト1000点、総合問題300点、個人面接200点という配点となっています。
総合問題は科目別には分かれておらず、「高等学校卒業レベルの学習の成果を幅広く応用・展開し、さまざまな課題を多面的に把握し解決するための資質・能力を評価するという観点から、総合評価して選抜します」とされています。
別に設けられている総合型選抜IIは地域枠選抜を兼ねています。
共通テスト、ケーススタデイの自学自習、(ワークショップ)、個人面接が課され、「本学科の教育カリキュラムに基づく学習を主体的に進めていくための資質・能力、適性、意欲・関心等を評価する観点から、総合評価して選抜します」とされています。
東邦大学医学部
適性試験、基礎学力試験、面接試験が課されます。
獨協医科大学医学部
AO入試から変更された入試制度です。
獨協医科大学の場合は、学士編入に近い制度となっています。
④転部(転学部)
入学後に学内で学部を変更する制度である転部を設けている大学もあります。
単位を引き継げるため、教養科目を学び直す必要がないというメリットはありますが、医学部へと転部できる大学は限られています。
東京大学医学部
有名なのは東京大学の2年次から3年時にかけての進振り制度です。
医学部医学科へと医進することも可能で、実際にそれを成し遂げた学生も過去に知られています。
まずどこの科類でも良いので東京大学に入学することと、入学後に医進に必要な科目を履修し、かつ非常に良い成績を取り(平均点90点ほど)、たった3名の枠を勝ち取ることことが条件となります。
入学後に良い成績を取るには、絶え間のない努力は勿論のこと、良い点数を取りやすい授業のリサーチ力、優しい教授を引き当てる運が必要です。
文系でも良いとはいえそのハードルは非常に高く、東京大学理科3類に入学するよりも難しいと揶揄されるほどです。
岩手医科大学医学部
岩手医科大学では医歯薬の3学部連携を取り入れています。
第1学年の学生で転部の希望がある場合、第2学年に転部することが可能です。
昭和大学医学部
医学部一般入試で医歯薬の併願入試が設置され、入学後も2年次からの転部を認めています。
千葉大学医学部
学則に転部、転科を認める旨の記載があります。
大学卒業後
⑤学士編入
学部卒業者に向けて、2年次または3年次に編入できる学士編入という制度が医学部でも利用できます。
医学部が設置されている多くの大学で行われています。
学士編入試験には学科試験がありますが、大学によっては英語、生命科学の2科目で受験できるので、文系でも十分対応できるかと思います。
学科試験に加えて、面接試験における医師へのモチベーションといった評価も重視されます。
複数の国立大学の学士編入試験を併願することも可能です。
歯学部から医学部へ学士編入できる制度もあります。
例えば岩手医科大学では歯学部卒後、国家試験合格者が医学部3年時に学士編入できる制度があります。
⑥再受験
通常、①一般入試の道を再び辿ることになります。
ただし卒業後の年数によっては推薦を使用できる場合もあります。
※⑦医学部医学科以外
余談ではありますが「医学部」という肩書が欲しいのであれば、医学部医学科以外にも医学部の他の学科は存在します。
海外の大学の医学部
何も日本だけで考える必要はないでしょう。
数学が入試においてこれほど重要視されるのは、日本の他に韓国、アメリカくらいのものです。
⑧受験(高校卒業後)
⑨再受験(大学卒業後)
高校卒業後は5年制または6年制の医学部に、大学卒業後であれば4年制のメディカルスクールに入り直すという選択肢もあります。
こちらについても詳しくは別の記事で説明しています。
最後に
ここに上げた例はあくまでも医学部に入学するための選択肢です。
入学後は他の受験生同様、医学の勉強に対する努力と相応の結果が要求されるのは勿論です。
入学自体はゴールではなく通過点のひとつなので、文系だから、数学が苦手だからといってここで諦める必要はありません。
医師になる高い意欲のある受験生が入学でき、かつ入学後も広い視野を持って学べる総合入試のような制度が、今後日本でも増えていって欲しいものです。
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