医学部生はどんなことを学ぶんだろう?

医学部受験生の皆さんであればそんな疑問を持ったことは一度はあると思います

たしかに医学部での勉強は暗記が多いことは聞いたことがある人は多いと思いますが、具体的にどんな勉強をしているのかは現役医学生である筆者も入学するまで知りませんでした。

今回は医学部の低学年で扱う基礎医学について詳しく解説します。

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概観

基礎医学について解説する前に医学部で学ぶことの大枠から整理します。

医学部では1-4年生で医学を座学として学び、5-6年生では臨床実習といって各大学の附属病院で現場の経験を積みます。

1-4年で学ぶ医学は大きく基礎医学臨床医学の二つに分類されます。基礎医学では正常な体の状態について学び、臨床医学では異常な体の状態について学びます。今回は前者の基礎医学について解説していきます。

例えばiPS細胞応用の研究でノーベル医学生理学賞を受賞した山中伸弥教授は基礎医学の研究者の一人ですね。

基礎医学は一年次の後半から始まることが多く二年生で多くの場合は学習が終了します。

大学によって呼び方は異なりますが以下のような科目があります。

解剖学
生理学・分子生物学
生化学
薬理学
病理学
微生物学・免疫学
公衆衛生学
法医学

これらについて、いくつかをピックアップし、解説します。

解剖学

医学部の授業で皆さんの多くが連想するのは解剖学ではないでしょうか。

解剖学とは主に人体の構造を扱う科目です。解剖学と一言で言っても人体の構造をマクロな視点で見るのかミクロな視点で見るのかによって骨学・肉眼解剖学・神経解剖学・組織学・発生学といった科目に分けられます。

骨学・肉眼解剖学・神経解剖学では実際にご検体を用いた解剖が行われ体の構造を立体的に観察し学習します。また組織学では健康な人から採取して組織切片を顕微鏡で観察し、細胞レベルで人体がどのように成り立っているのかを捉えます。

発生学は文字通り人間の体が生まれてからどの順番でどのようにして構成されているのかということについて学びます。

解剖学は血管、神経、筋肉などの位置や働きについて一つ一つ暗記しなければならず、必然的に暗記量が多くなってしまいます。また人体解剖やスケッチなどの実習は通常4-6ヶ月にわたって行われ、体力的にきつい科目であるということが出来るでしょう。

逆に解剖学では直接人間の生の神秘に触れることができ、やりがいのある科目でもあります。

生理学

生理学とは生命現象を機能の観点からとらえる科目です。脳の学習機能からホルモン分泌なども生理学の分野に含まれます。

生理学は人体の機能を臓器ごとに分類して扱うため解剖学の知識が前提とされるのは言うまでもなく、高学年で扱う臨床医学との結びつきを一番感じられる分野です。解剖学に並ぶ大変さがある科目です。

生理学で扱う内容としては内分泌・尿生成・血液・消化・呼吸・神経伝達・運動の仕組み・言語・小脳と学習・感覚などがあります。これに加えて各大学で行われている代表的な基礎研究の先生による特別講義も生理学の授業に含まれることが多いです。

生理学に分類される研究領域は非常に多岐にわたり、扱う分野は大学によって多少違いがあります。

生化学

生化学は高校生物の範囲と重複が多い科目です。

ざっくりいうと我々の体の恒常性がなぜ保たれているのか、また病気になると体の内部でどのような変化が起きるのかということについて学ぶ科目です。

主に体の中で起きている見えない現象について取り扱うため日常生活とは馴染みがないかもしれません。具体的にはグルコース(糖質)、タンパク質、脂肪がお互いにどのような互換性を持っているのかということを学びます。

糖尿病、痛風、ポルフィリン尿症などの生活習慣病などの疾患と関連づいた分野であり、基礎研究が最も盛んに行われている分野の一つでもあります。

薬理学

薬理学とは生体内外の物質が生体にどのような影響を及ぼすのかということを学ぶ学問です。それを応用させて薬物の疾病治療のアプローチなどを構築していきます。

生体内でのホルモンバランスなど正常な状態をまず理解したうえで、それぞれの病態に対してどのような投薬がベストなのかということを学んでいきます。

医師は臨床現場に出た時に処方箋を描かなければならず、それに関係してくる学問であると捉えれば分かりやすいでしょう。

ケーススタディが多い授業です。

病理学

病理医というワードを耳にしたことがある人も多いと思います。また最近ではドラマ「フラジャイル」など、普段表に出てこない病理医について取り上げたドラマもあります。

基本的に学習することとしては組織学に似ており、染色された組織像を顕微鏡で観察します。組織学では正常人体の組織切片を扱うのに対し、病理学では病変部位を含む組織切片を扱います。基礎医学の中ではかなり臨床医学に近い科目です。

最近ではAIに病理診断をさせるという研究も行われており、かなり先進的な分野でもあります。

公衆衛生学

公衆衛生とは社会単位で組織的に人々の疾病の予防や身体的・精神的健康の増進を目標とする分野です。

医学ではなく、科学(science)・芸術(art)などの他分野との連携が非常に重要なのは言うまでもありません。

生活環境・保健医療制度ならびに事業、社会保障および社会福祉など、医学・医療が社会とかかわる領域に何が必要なのかということを学習します。

基礎医学の他の科目は個人のレベルで人体や健康について考えるのに対して、公衆衛生学では社会全体を捉えるマクロな視点で健康を捉える点が決定的に違うといえるでしょう。

法医学

医学というと生きている人間を扱う学問であるというイメージを抱きがちですが、法医学は亡くなった方を扱う学問です。

ドラマ「フラジャイル」で取り上げられているのを見ても分かると思いますが、ドラマや映画でよく見かける検視や行政解剖を行うのが法医学者です。

自然死や不自然死はもちろんのこと、事件や事故で亡くなったご遺体を解剖することで死因究明をするのも法医学者の仕事です。

医学はもちろんのこと法律や倫理的な知識も必要となる領域であるため「文理が融合した医学」のようなイメージを持っておくと良いでしょう。

最後に

いかがでしたか?ここまで医学部の低学年で扱う基礎医学について解説しました。

知っている科目もあれば知らなかった科目もあると思います。

「医学」というように、ひとまとまりで捉えると難しく聞こえてしまいますが基礎医学だけでも以上のように細分化されています。

興味のある科目についてはぜひ詳しく調べてみましょう。

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