医学部数学は「難関」。入試に向けて対策するには?

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医学部入試において、多くの大学では数学が必須科目となっています。
数学が難しい、苦手だと感じる受験生は多いでしょう。

そもそも、一体何のために難しい数学の試験が課されているのでしょうか。
そして、苦手を克服し、難しい数学の試験を突破するにはどう勉強していくのが良いのでしょうか。

なぜ数学が必要?

入学後の医学の勉強や、将来医師としての仕事において、難しい数学の問題が解けることは直接的には必要ないかもしれません。
統計学が医学研究に用いられるくらいです。

では、そもそもなぜ医学部の入試には難易度の高い数学の試験が設けられているのでしょうか。
それは、数学を学ぶ上で身につく論理的思考力や、空間把握能力は、医学においても非常に役に立つからです。

「論理的思考力」とは、物事を筋道立てて考える能力のことです。
医学部の勉強は膨大な量がありますが、受験勉強を通じて身についた力が生きてくるはずです。
また、患者の症状から原因を探り、病名を推定するのにも、論理的思考力が必要でしょう。
しかし、論理的思考力や空間認識能力は、一朝一夕で身につくものではありません。
数学では、与えられた問題文を分析して仮定や前提を抜き出して数式化し、状況に合った定義や公式を用いて筋道を立てて答えを導き出します。
これはまさに論理的思考力の練習にふさわしいでしょう。

また、図形問題を通じて「空間認識能力」を高めることもできるでしょう。
だから大学としては数学の試験を通じて受験生の評価をしている訳です。
ただ、近年は数学が得意だから医学部に入るという風潮が増して、医学に興味の薄い学生が医学部に入学してしまうことも問題になっています。
あくまでも数学を勉強することは医学部に入るための必要条件でしかないことに注意しましょう。

苦手克服への5つのステップ

数学が苦手だけど医学部を目指したいという受験生も多いでしょう。
現時点で数学が苦手だからといって、医学部受験を諦める必要は決してありません。
勉強を始める時期と対策について、順を追って見ていきましょう。
医学部の数学に限らず、受験生の皆さん全員に当てはまることです。
数学苦手克服には、大きく分けて5つのステップがあります。

①計算力

②基礎固め

③基本的な手法を身に付ける

④手法を組み合わせた応用問題・頻出事項

⑤過去問演習

そしてさらに数学を得意にしたい受験生は、
⑥プラスαの知識(発展)
の6つになります。

まずは5つのステップを詳しく見ていきましょう。

①計算力

計算力は残念ながら一朝一夕に身に付けられることではありません。
これは幼少期からの積み重ねとなります。
計算力が不足していると感じる場合は、計算スピードと正確性を上げることを日々意識して取り組みましょう。
特にセンター試験や大学入学共通テストのような基本的な問題は、練習を積めば積むほど計算スピードも大きく向上することが期待できます。
問題を解くのにかかる時間を意識してタイムマネージメントをするのは、受験当日まで続く大きな課題です。

②基礎固め

これは現役生であれば学校の教科書や授業が基礎になります。
基本的な公式、定理の導出方法とそれを用いた例題、練習問題が一冊にまとまっている教科書は、基本的事項を学ぶには最良の参考書です。
教科書レベルくらいは簡単だと侮っている受験生の皆さんも、是非一度教科書を見直してみると良いでしょう。

例えば、東京大学では1999年に文理共通問題として、第1問(1)に「一般角θに対して、sinθ、cosθの定義を述べよ。」という問題が出題されました。
教科書には、一般角θに対して、x軸正の部分を原点中心に反時計回りにθだけ回転させた半直線と単位円の交点の座標を (cosθ,sinθ )と定義する、とあります。答えられたでしょうか。

また、同じく三角関数の分野でいうと、和積・積和の公式を語呂合わせで丸暗記してはいませんか。
数学の根本的理解という意味でいうと、導出できてしかるべき問題です。
丸暗記していて導出はできないという受験生は要注意です。

数学が苦手だと感じている受験生の大半は、こういった教科書の重要事項を十分に抑えられていません。
難関大学であれど、基本的な公式や定理が重要視されているのは明らかです。
定理を抑えるとともに、基本的な公式は自分で導けるようにするなど、丸暗記や語呂合わせに頼らない根本的理解を心がけましょう。

③基本的な手法を身に付ける

先ほど、②の基礎固めの項目では、丸暗記をしないようにとお伝えしました。
③基本的な手法を身に付ける、の項目ではその真逆です。
受験で頻出の手法がまとまった基本的な例題を丸暗記するまで繰り返し解き、ポイントを定着させましょう。

④手法を組み合わせた応用問題・頻出事項

高校3年生の1年間はこの作業がメインとなります。
志望校や学部に拘らず、色々な大学の入試問題を1問25分など時間を決めて取り組みましょう。
途中、基本的な事項に抜けがあると気づいた場合は、適宜③のステップに戻って確認しましょう。
演習においては、時間配分、問題全体を見る、題意の把握、問題の数式化と方針の決定、計算ミス、答案用紙の書き方、見直し・検算の7つのポイントに注意しましょう。

⑤過去問演習

高校3年生の秋頃から、いよいよ志望大学の過去問に取り組んでいくことになります。
あまり早い時期に解いても演習の効果がありません。
他大学の過去問に取り組み、演習に慣れてからで十分です。
過去問演習においても、先ほど述べた演習のポイントを守りましょう。
過去問演習の目的は志望校の入試の形式に慣れるためであって、基礎力をつけるためではありません。

⑥プラスαの知識(発展)

難関大学や、医学部の入試問題には、有名な数学的事実や定理が背景として潜んでいる場合もあります。
背景を知らない受験生でも解くことはできますが、背景を知っていると有利になる問題は、時間に余裕のある受験生向けの発展的知識となります。

医学部数学の難しさ3つ

医学部入試の数学は、一般的にとても難易度が高いです。それには3つのタイプがあります。

まず1つ目は、高校範囲ではあるが、解くのに必要な手法が組み合わさっている、または作業量が多い問題

2つ目は、高校履修範囲ではあるが、解くにはテクニックやひらめきが必要である問題

そして3つ目は、高校履修範囲を超えたマニアックな問題です。

だからといって、最初から難問の演習ばかりするのは、よくある受験生の失敗に挙げられます。
皆さんがまず目指すのは、1つ目のタイプの問題になります。
医学部入試の数学の勉強法を調べる受験生のみなさんの中には、まだ数学の基本的な知識やパターンを押さえられていないという人も多いでしょう。
焦らず、まずは基礎を固めるのが先決です。
まずは教科書の例題を解き直し、基礎固めをするだけでも、数学の成績は大幅に向上します。
いきなり発展的な内容に取り組むのは辞めましょう。

数学が苦手な人にとっては、2次試験で数3が課されることも大きな壁となるでしょう。
数3においては、数1・数2の知識を基盤として、更に高度な応用が求められます。
数学に苦手意識を持っている受験生にとっては、とても取り組みづらい科目となることでしょう。
数学の力がある程度固まったら、なるべく早い時期から始めましょう。
入試時期の2年前から取り組めると理想です。

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