大学卒業・中退後、または社会人経験後に医学部を目指すことを「再受験」と言います。

再受験にチャレンジする人、いわゆる再受験者は、医学部受験者の中で決して少なくありません。

本コラムでは、北里大学医学部について取り上げ、再受験者の合格戦略を検討します。

北里大学医学部の再受験への寛容さ、再受験者が合格するためのポイントなどを整理するので参考にしてくださいね。

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北里大学医学部は再受験に寛容なのか

結論として、北里大学医学部は再受験に「とても寛容」と言えます。

私立大学へのチャレンジを検討する再受験にとっては、選択肢として押さえておきたい医学部のひとつです。

同大学医学部の合格者の新卒・既卒比率を公開されている最新年度から確認すると、2021年度入試で既卒率72.6%、2020年度入試で67.2%となっています。

既卒者の年齢内訳は非公開ですが、受験者は年齢にかかわらず合格者が出ていることが分かります。

同大学医学部の再受験への寛容さをさらに詳しく確認するために、以下の指標を考察していきます。

・合格者に対しての再受験者率

・受験者に対しての再受験者率

再受験への寛容さを理解して、志望大学選びの参考にしてください。

北里大学医学部が再受験に寛容といえる理由①

まず本章では、北里大学医学部の「合格者に対しての再受験者率」を確認していきます。

合格者に占める再受験者の割合が大きいほど、再受験者に寛容な傾向があると考えられます。

参考にするのは、合格者の年齢内訳が公開されている最新データである平成30年度入試結果です。

◆北里医学部の年齢別合格者数・占有率(平成30年度入試)

18歳以下19歳20歳21歳22歳以上
合格者数93名63名24名21名29名230名
占有率40.4%27.4%10.4%9.1%12.6%100%

※占有率:合格者数全体に占める割合

大学卒業後や社会人経験後の「再受験者」の年齢と考えられる「22歳以上」の合格者数は、全合格者のうち約12.6%でした。

同年度の全医学部における「22歳以上」の合格者は全合格者のうち約7.3%のため、北里大学医学部合格者の再受験者の割合は非常に高いことが理解できます。

また、全合格者に占める再受験者率は、若干のばらつきはあるものの全医学部の平均値よりも高い状態で推移し続けています。

以上より、北里大学医学部は再受験にとても寛容な傾向にあると考えられます。

参考:文部科学省 医学部医学科の入学者選抜における緊急調査の結果速報

北里大学医学部が再受験に寛容といえる理由②

続いて確認するのは「受験者に対しての再受験者率」です。

多くの再受験者が受験している傾向が例年続いているということは、再受験者が合格を狙いやすいことを証明していると考えられます。

年齢内訳が公開されている最新データである平成30年度入試結果を用いて確認していきます。

◆北里医学部の年齢別受験者数・占有率(平成30年度入試)

18歳以下19歳20歳21歳22歳以上
受験者数668名625名387名244名444名2,368名
占有率28.2%26.4%16.3%10.3%18.8%100%

※占有率:受験者数全体に占める割合

再受験者を表す「22歳以上」受験者は、全受験者の約18.8%を占めています。

現役生を表す「18歳以下」受験者、1浪生を表す「19歳」受験者に次ぐ割合となっており、非常に多くの再受験者が北里大学医学部を受験していることが理解できます。

また、同大学医学部の受験者傾向の推移を確認するため、「22歳以上」受験者に絞って整理したのが以下の表です。

活用したのは年齢内訳が確認できる最新データである平成30年度から過去5年分の入試結果です。

◆北里医学部の「22歳以上」受験者数・占有率推移

年度「22歳以上」受験者数全受験者に占める割合
H30年度444名18.8%
H29年度482名19.9%
H28年度387名17.7%
H27年度427名16.3%
H26年度340名15.1%

「22歳以上」受験者が全受験者の15%以上を占める傾向が続いていることが分かります。

また、最新年度になるにつれ「22歳以上」受験者の割合が高くなっていることも読み取れます。

以上より、北里大学医学部は多くの再受験者に選ばれ続けていると言え、再受験に寛容な傾向が強く見られると考えられます。

参考:文部科学省 医学部医学科の入学者選抜における緊急調査の結果速報

北里大学医学部の入試情報

本章では、北里大学医学部の入試情報を整理します。

偏差値62.5-65.0 
入試実質倍率(2023年度)6.19倍 
試験科目(第1次試験)理科200、数学150、英語150
計500点
試験科目(第2次試験)論文、面接
配点非公開

偏差値は62.5-65.0となっており、私立大学医学部の中では比較的易しいボーダーラインです。

とは言え、例年のように入試倍率が高くなっていることには要注意です。

再受験者を含む多くの受験生に人気があると言えます。

試験科目は理科・数学・英語の3科目型で計500点です。

公開されている2022年度入試、2021年度入試、2020年度入試における第1次試験の合格最高点はそれぞれ、422点、460点、365点です。

同様に、合格最低点はそれぞれ、315点、263点、256点となっています。

ブレの少ない合格最低点を目安に目標設定を行うのが得策です。

また、第1次試験合格者のみが受験できる第2次試験には、論文・面接が課されており合否は「総合して判定」されることになっています。

論文は指定された3日間の中から受験日を指定することに注意してください。

参考:北里大学 医学部 一般選抜試験概要

北里大学医学部に再受験で合格するポイント

本章では、北里大学医学部に再受験で合格をつかみ取るためのポイントを整理します。

一つひとつのポイントを受験勉強に落とし込み、合格への最短ルートを組み立てましょう。

科目対策:マークシート方式での取りこぼしを減らす

前章で触れたとおり、合格最低点は例年50%得点前後となっています。

それほど高いボーダーではないからこそ、取りこぼしをなくすのが基本的な考え方と言えます。

近年の過去問を確認すると、英語と理科はマークシート方式となっています。

この2科目での取りこぼしを減らすことで、合格最低点を自然とクリアできるイメージを持つことができます。

例えば英語では、ある程度の語彙力が問われる一方で、並べ替え問題や穴埋め問題などでは教科書レベルの文法知識で解ける問題が多数出題されています。

5文型や不規則動詞を把握していれば選択できる穴埋め問題、不定詞構文をそのまま活用して解ける並べ替え問題などが過去問で見られます。

やや専門的な語彙によってカモフラージュされていますが、問われている内容は英語の基礎をどれだけ身に付けているかです。

以上の傾向をふまえ、徹底的に基礎知識をインプットしながら過去問演習を積み重ねることが合格のポイントです。

現役生と比べて必要科目に特化して受験勉強を確保できる再受験者だからこそ、基礎的な知識の徹底的なインプットと、過去問をベースとした演習でのアウトプットを何倍も実践してください。

論文対策:豊富な過去問と添削指導で「型」を身に付ける

得点非公開の論文課題ですが、対策を疎かにすると如実に差が出やすい科目と言えます。

たいていの論文で必ず出題されるのが「自分の意見を述べよ」という問です。

対策をしているかどうかで大きな差が出る理由は、このような論述問題への対策の有無が解答に出やすいためです。

意見を問われているからと言って、自由に意見を述べれば良いものではないのは言うまでもありません。

他者に伝わるよう、論理的で分かりやすい文章を書く必要があります。

求められる論述をできるようになるために欠かせないことは2つです。

第一に、手に入る過去問を徹底的にこなすことです。

各大学によって論述問題の質が少しずつ異なるため、演習をとおして過去問の特性を把握することが合否に影響を及ぼします。

第二に、添削指導を繰り返し受けることです。

英語や数学の得点力を高めるためには、模試や過去問を受けて答え合わせを行い、知識不足を認識したりや考え方を新たに取り入れたりするはずです。

論文でも同様に、知識不足の認識や新たな考えの習得が必要になります。

決まり切った答えがない論文では、解答・解説の代わりに添削指導が有効です。

再受験者であれば、通信講座などを用いて指導を受けられる環境を整えましょう。

合格に必要な「型」を学ぶことが、最も効果的な論文対策につながります。

面接対策:面接で確認されるポイントに沿ってQ&Aを考える

面接試験を課す大学は、面接で受験生の確認したいポイントを公表しています。

人物像、意欲、適性などが評価ポイントとして設定されているので、各項目に沿って自身の説明ができるように準備をしておきましょう。

再受験者の場合、特に確認される可能性が高いのは「意欲」や「適性」と考えられます。

現役生や浪人生よりも医師になる年齢が高いというハンディキャップを背負ってでも医学に専念できるだけの意欲を伝えられることが大切です。

また、他学部や社会人を経験して培われた広い視野や職業観からも適性が測られます。

自分自身のアピールも大切ではありますが、優先すべきは志望する医学部に求められるポイントを押さえた人物であることを伝えられるように準備することです。

大学側が「この受験生になら投資しても良い」と思えるよう、評価ポイントを確認したうえで準備を進めてください。

まとめ

本コラムでは、北里大学医学部に再受験者が合格するために必要な情報を整理しました。

再受験に寛容な同大学医学部は、再受験者を含め多くの受験生から例年高い人気を集めています。

だからこそ、再受験者は合格に向けて情報収集を行い、計画的に受験勉強を進めることが合格のために不可欠です。

合格のためのポイントを一つひとつクリアしていき、医学部への入学を果たしましょう。

関連コラム:医学部の再受験に寛容な大学は?判断するポイントも解説

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この記事の監修者 山崎 敬太

山崎 敬太

筑波大学人間学群心理学類 卒業。

大学卒業後、英語講師として、難関大・医学部・看護学部・看護学校の志望者計300名以上に指導経験をもつ。

その後、小中高生向けキャリア教育事業の施設長として、生徒やご家族へ進路の相談援助を実施。

現在は医学部・看護学部・看護学校受験向けメディアのライターとしても活動中。

医学部や看護学部・看護学校の受験生に向けて、役立つ入試情報等を発信。