大学卒業後や社会人経験後に医学部合格を目指して受験する「再受験」においては、志望大学が再受験に寛容かどうかをチェックすることが大切です。

本コラムでは、新潟大学医学部をピックアップして再受験への寛容さを詳しく整理します。

再受験での合格を目指すため、同大学医学部について情報収集をスタートさせましょう。

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新潟大学医学部は再受験に寛容なのか

結論として、新潟大学医学部は再受験に「とても寛容」と言えます。

国立大学医学部の再受験にチャレンジしたい人は、同大学医学部は必ずチェックしておきたい医学部です。

実際に、最新データである2021年度入試において、同大学医学部への入学を果たした再受験者が複数名いることが確認できます。

数ある選択肢の中でも、再受験者へ広く門戸が開かれている国立大学のひとつと言えます。

医学部の再受験への寛容さは、次の2つの指標を参考にしてみてください。

・合格者に対しての再受験者率

・受験者に対しての再受験者率

次章より、それぞれの指標を詳しくチェックして再受験への寛容さを整理します。

再受験者が同大学医学部を志望するかどうかの参考にしてみてくださいね。

新潟大学医学部が再受験に寛容といえる理由①

再受験への寛容さを示すデータの一つ目は「合格者に対しての再受験者率」です。

実際に合格をつかみ取った再受験者がどれだけいるか、そして再受験での合格者がどのくらいの割合なのかをチェックしましょう。

公表されている最新データである平成30年度入試結果をもとに考察します。

◆新潟大学医学部の年齢別合格者数・占有率(平成30年度入試)

18歳以下19歳20歳21歳22歳以上
合格者数43名45名19名5名17名129名
占有率33.3%34.9%14.7%3.9%13.2%100%

※占有率:合格者数全体に占める割合

大学卒業後や社会人経験後の再受験者を示すと考えられる「22歳以上」の合格者数を見ると、全合格者のうち約13.2%を占めています。

同年度の全医学部における「22歳以上」合格者の割合は約7.3%であることから、新潟大学医学部は合格者の対しての再受験者の割合が非常に高いことが分かります。

なお、合格者に対する再受験者の割合の高さについては例年同様の傾向が続いています。

以上より、新潟大学医学部は再受験に寛容な傾向が強いと考えられます。

参考:文部科学省 医学部医学科の入学者選抜における緊急調査の結果速報

新潟大学医学部が再受験に寛容といえる理由②

再受験への寛容さを示すデータの二つ目は「受験者に対しての再受験者率」です。

例年多くの再受験者が受験しているのであれば、再受験者にとってチャンスが大きい医学部であると考えられます。

前章と同様、公表されている最新データである平成30年度入試結果を確認します。

◆新潟大学医学部の年齢別受験者数・占有率(平成30年度入試)

18歳以下19歳20歳21歳22歳以上
受験者数264名93名43名14名57名471名
占有率56.1%19.7%9.1%3.0%12.1%100%

※占有率:受験者数全体に占める割合

再受験者を表す「22歳以上」受験者数は57名で、全体の約12.1%でした。

同大学医学部を受験したおよそ8名に1名が再受験者と考えられます。

受験者のうち一定の割合が再受験者で占められている傾向は、例年同様に見られます。

また、再受験者への寛容さを示すデータとして、前章・本章の数値より算出した「再受験者の合格率」を挙げることができます。

公開されている最新データから3年間の推移を以下の表にまとめました。

◆新潟大学医学部と全医学部それぞれの「22歳以上」受験者合格率

新潟大学全医学部
H30年度29.8%4.7%
H29年度15.6%4.9%
H28年度27.8%5.6%

新潟大学医学部の再受験者合格率は、全医学部より圧倒的に高い傾向が続いていることが一目瞭然です。

20名に1名程度の合格率が全医学部の平均ですが、同大学医学部ではその3~6倍程度の合格率を誇っています。

必要な対策さえしっかり行えば、再受験者でも医学部合格が大いに期待できると結論付けられます。

参考:文部科学省 医学部医学科の入学者選抜における緊急調査の結果速報

新潟大学医学部の入試情報

本章では、新潟大学医学部の入試情報を整理し特徴を把握していきます。

偏差値65-67.5   
入試倍率(令和4年度)3.04倍   
試験科目(共通テスト)国語100、数学200、英語200、理科200、社会50
計750点
試験科目(個別学力検査)数学400、英語400、理科400、面接
計1,200点

偏差値は65-67.5で、国公立大学医学部の中では中間層の難易度に位置づけています。

倍率についても同様で、国公立大学医学部の中では平均的と言えます。

試験科目を確認すると、共通テストで5科目全て、個別学力検査でも3科目と幅広い学力が問われていると考えられます。

合格者平均得点率は共通テストで79.4%%、個別学力検査で62.7%です。

合格者最低得点率は共通テストで67.3%、個別学力検査で55.2%です。

同大学医学部を目指す上では、「共通テスト7割、個別学力検査6割」を突破する必要があると言えます。

なお、倍率4倍を超える場合は共通テストの得点で第1段階選抜が行われることもあるので注意が必要です。

参考:新潟大学医学部 入試情報

新潟大学医学部に再受験で合格するポイント

本章では、新潟大学医学部に再受験で合格をつかみ取るためのポイントを紹介します。

共通テスト、個別学力検査、面接それぞれのポイントを理解して、合格に向けた学習に役立ててください。

共通テスト対策:科目に偏りを設けず計画的に学習する

前章で確認したように、同大学医学部の共通テストでは5科目が課されており、合格ラインを突破するには最低でも80%の得点力が求められます。

以上の傾向をふまえると、一部の私立大学医学部では有効な手段のひとつである「捨て科目」を作ることがやや難しい入試と考えられます。

配点比率より、社会や国語はある程度の力配分に抑えることも考えられますが、完全に捨ててしまうと80%ライン突破へのリスクは高まります。

再受験者が同大学医学部を突破するには、現役生や浪人生と同様に全科目の対策を行う王道ルートを選ぶのが有効です。

特に共通テスト750点満点中で計600点を占める数学・英語・理科の対策は、計画的に行う必要性があります。

科目ごとに目標得点率を設定し、現状との差を把握して学習スケジュールを組み立てることからスタートしましょう。

突出した得意科目がない場合は、数学・英語・理科で85%、国語・社会で70%程度を目標としてイメージするのがおすすめです。

個別学力検査にも用いる主要3科目の得点力を安心できるラインまで押し上げられるよう学習時間の配分を考えてみてください。

個別学力検査対策:「試験慣れ」の場を積極的に設ける

個別学力検査の合格最低得点率の目安は約60%でした。

しかし注意したいのは、合格平均得点率が70%近くに達しているという点です。

面接という判断基準が見えづらい試験がある以上、再受験者が安心して個別学力検査に臨むためには平均得点率である70%得点を目標とした受験勉強を行うのがおすすめです。

「個別学力検査で70%得点」と聞くと難易度が高いと感じる人も多いかもしれませんが、過去問を解いてみると現実的な目標であると気付けます。

個別学力検査に課されるいずれの科目試験も癖が少なく、いわゆる標準的な試験です。

そのため、基本的な知識とある程度の応用力があれば70%得点は十分に達成可能な目標です。

一方で、これから受験対策を始める再受験者がネックになるのは「試験慣れ」していないことでしょう。

癖のある試験であれば、過去問をどれだけ解いて癖を理解するかが重要なため、現役生との差は出づらいです。

しかし標準的な試験では、模試や学内試験がよりダイレクトに新潟大学の試験での得点力に結びつきます。

結果として、新潟大学医学部を目指す現役生は自然と「試験慣れ」できる環境にあると言えます。

再受験者はこの点を強く意識し、現役生と同様に模試を受けたり過去問を本番さながらに解いたりする機会を作ることが重要です。

面接対策:具体的なエピソードまで徹底的に言語化する

募集要項を確認すると、同大学医学部の面接は「個人面接」となっています。

個人面接では集団面接に比べて、面接官からの質問が受験者一人ひとりのより具体的なエピソードに及ぶ可能性が高いと考えられます。

そのため、再受験者が特に求められるのは「再受験に至った経緯・熱意」を説明できることです。

再受験者は年齢面や生活面でのネックを乗り越えて医学部にチャレンジしているからこそ、現役生や浪人生よりも強い意志を持って再受験に挑んでいると面接官に考えられています。

面接官の思惑通りの強い意志を伝えることができれば、大学側も再受験者を受け入れる判断がしやすくなります。

医学部再受験に至るまでの状況整理からスタートし、他者に伝えるための言語化をじっくり行うことが再受験者の面接突破に向けた対策です。

まとめ

本コラムでは、再受験者が新潟大学医学部へ合格するための情報整理を行いました。

再受験に「とても寛容」な新潟大学医学部ですが、医学部合格をつかみ取るまでのプロセスは決して簡単なものではありません。

医学部合格に向けての情報収集を行い、必要なサポートを考え、環境調整を行い、正しい方向性の受験勉強を十分に実施する必要があります。

新潟大学医学部への合格に向け、再受験者ならではのポイントを押さえた対策をスタートさせましょう。

関連コラム:医学部の再受験に寛容な大学は?判断するポイントも解説

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この記事の監修者 山崎 敬太

山崎 敬太

筑波大学人間学群心理学類 卒業。

大学卒業後、英語講師として、難関大・医学部・看護学部・看護学校の志望者計300名以上に指導経験をもつ。

その後、小中高生向けキャリア教育事業の施設長として、生徒やご家族へ進路の相談援助を実施。

現在は医学部・看護学部・看護学校受験向けメディアのライターとしても活動中。

医学部や看護学部・看護学校の受験生に向けて、役立つ入試情報等を発信。