看護学校・看護大学への合格を目指す人にとっては、科目対策と同じくらい面接対策が重要です。

本コラムでは、看護学校・看護大学の受験で重要な位置づけである「面接」にスポットをあてて、受かる人の特徴と落ちる人の特徴を整理します。

看護学校・看護大学に合格するため、情報収集して面接対策をスタートさせてくださいね。

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看護学校・看護大学の受験における面接の重要性

まず最初に看護学校・看護大学の受験における面接の重要性を確認します。

結論として、看護学校・看護大学において面接は非常に重要な試験であると言えます。

以下では、看護学を学びたい人にとって面接がどのくらい重要かを裏付ける情報が2つあるのでそれぞれ確認していきましょう。

面接試験を課す看護学校・看護大学の多さ

実際に面接試験を課す看護学校・看護大学の多さから、面接試験が重要であることが理解できます。

国公立大学の前期入試では、東北大学や千葉大学、筑波大学といった有名大学の看護学部を含め30大学以上で面接試験が課されています。

私立大学看護学部では、面接試験が課される入試日程のある大学は70大学以上と非常に多くの4年制大学で面接試験が必須となっています。

また、看護学校でも同様の傾向が見られ、看護を学ぶにふさわしいかどうかの判断をする上で面接試験が重視されていることが伺えます。

看護職に求められる資質や能力

看護職に求められる資質や能力からも、面接試験が重視されている理由が伺えます。

看護学校・看護大学の卒業生は「看護職」に就くケースが非常に多く、全国の看護職のうち150万人以上が「看護師」として働いています。

日本看護協会では、看護師に求められる能力を次のように定義しています。

1.“人を看る”という看護師独自の視点で、対象となる人を身体や精神、社会、文化などさまざまな側面から捉えること

2.捉えた情報を総合的にアセスメントし、必要な看護を的確に判断すること

さまざまな側面から情報を捉えることや、情報を総合的にアセスメントして判断を下すための素質は、科目試験だけでは判断しづらいポイントです。

看護学校・看護大学の面接試験では、以上のような「看護師としての能力」を身に付けられる資質があるかを判断されます。

よって、科目試験では判断しきれないポイントを判断するために課される面接試験は、科目試験と同様に合否に直結する重要な試験と考えられます。

看護学校・看護大学の面接で受かる人の特徴

本章では、看護学校・看護大学の面接試験で合格する人の特徴について整理します。

それぞれの特徴を理解して、今からできる対策を考えてみてくださいね。

看護職への事前理解がある

いずれの看護学校・看護大学の面接においても、必ず確認されるのが「志望動機」です。

多くの面接を担当してきた面接官にとって、受験生の話す志望動機が本心かどうかを推測するのは難しいことではありません。

そのため、看護職への理解をした上で志望動機を固めていることが非常に大切です。

また、目の前の患者とのコミュニケーションから多角的に情報を捉えるという非常に高度なスキルを養成する看護学を学ぶためには、看護職への強い興味や深い理解が必要です。

入学前から看護職を完璧に理解することは難しいですが、その意欲を持って面接に臨むことが大切です。

看護職への興味や理解が深ければ深いほど、看護職や看護学への熱意としてそのまま面接官に伝わります。

そのため、看護職について自分なりの言葉で説明できる程度に理解を深めている人が、面接での高評価につながっています。

自己分析・自己理解ができている

看護学校・看護大学の面接では、関わる患者としっかり向き合える資質があるかを確認されます。

人と向き合う資質があるかどうかは、受験生自身がどれだけ自分と向き合っているか、つまり自己分析・自己理解ができているかで判断されます。

多くの面接では「自己PRをしてください」「自分の性格はどのようなものですか」といった質問で、受験生の自己分析・自己理解の程度を測ります。

面接で受かる人は、それぞれの質問への回答を用意していることはもちろん、きちんと自己分析・自己理解をして自分と向き合っているという特徴があります。

自己理解が進んでいる人であれば、面接中の質問にも本心で答えることができるようになります。

つまり、面接官が聞いても違和感を持たず納得できる言葉を伝えられる状態で面接に臨むのが、面接で受かるポイントと言えます。

気持ちの良いコミュニケーションを意識している

看護職として働く中で、医師を始めとしたさまざまな職業人との連携が必要になります。

お互いがパフォーマンスを発揮するためには、気持ちの良いコミュニケーションが大切です。

看護職の養成を行う立場にある面接官も、看護職として連携する一人の職業人です。

そのため、面接官との気持ちの良いコミュニケーションがとれる人が面接で受かりやすいと言えます。

ただし注意したいのは、聞かれた質問にスムーズに答えることだけが気持ちの良いコミュニケーションではないということです。

異なる意見への反論に躍起にならずに「ご意見ありがとうございます。」といったん受け止めることや、予想していなかったことに対してやみくもに答えるのではなく「勉強不足ですみません」と認めることも気持ちの良いコミュニケーションです。

学校と受験生それぞれがお互いへの理解を深める場として、丁寧にコミュニケーションをとることを意識していれば、自ずと面接に受かる確率が上がります。

面接でのマナーを身につけている

短い時間で合否を判断される面接では、受験生の第一印象や立ち居振る舞いが大きな分かれ目になっています。

そのため、面接でのマナーを身につけている人ほど受かる可能性が高い傾向があります。

科目試験の比重が少なく受験生間での得点差がつきづらい看護学校において、面接のマナーがより重視されています。

最初に意識したいマナーは、第一印象に直結する服装・髪型です。

面接で受かる人は、制服やスーツをきちんと着こなしていて、清潔感のある髪型で面接に臨んでいます。

また、立ち姿や座った姿勢も非常に強く印象に残るので、普段から意識しておくことが大切です。

他の特徴にも共通して言えることですが、普段から意識して実践していることが面接当日にできることに直結します。

日常的にマナーを意識した身だしなみや姿勢を実践していることこそ、面接で受かる人の特徴です。

看護学校・看護大学の面接で落ちてしまう人の特徴

続いては、看護学校・看護大学の面接で残念ながら落ちてしまう人の特徴について整理します。

当てはまるものがあれば、できるだけ早い段階で修正していきましょう。

看護職への理解があいまい

面接で落ちてしまう人の特徴として最も多いのは、看護職への理解が薄くあいまいな発言が多いというものです。

看護職を理解せずに看護職を目指す人は、途中でモチベーションが維持できなくなりドロップアウトする可能性も高くなります。

そのため、看護職への理解があいまいな人は、看護学校・看護大学の立場からすると入学させるリスクが高いと判断されてしまいます。

また、4年制大学の看護学部では、学内の別学部に関連した医療福祉系の職業へ関心を持っておくことがその大学への志望度のアピールになります。

逆に言えば、学内の別学部を一切知らないまま面接を受けにきた受験生は、その大学でわざわざ学ぶ必要がないと判断されかねないので注意が必要です。

発言に一貫性がない

表面上の受け答えの対策ばかりに終始した受験生は、一貫性のなさを面接官に見破られて落ちてしまうことがあります。

自己PRと志望動機に矛盾があったり、面接中でのコミュニケーションと伝えた「自分の長所」にギャップがあったりすることが不合格の原因になります。

一貫性がない発言の根本的な原因は、自己分析・自己理解に時間をかけていない点にあります。

多くの受験生や看護職の人を見ている面接官には、上辺の言葉は見破られると思ったほうが無難です。

面接で緊張しすぎている

面接の場で緊張するのは当たり前のことですが、あまりにも緊張感が高いと面接に落ちてしまうかもしれません。

面接での極度な緊張が不合格につながる理由は2つあります。

1つめは、看護職を目指す人物像として懸念があるという点です。

人の生死に向き合うことが多く、さらに緊急対応にあたることも多い看護職では冷静な判断・対応が求められます。

面接という場において極度に緊張してしまうことは、将来的に看護職として活躍するには資質不足と捉えられかねません。

2つめは、面接試験への練習不足という点です。

人として緊張してしまうことは当然ですが、どんなことでも練習を重ねれば重ねるほど落ち着いて対応できるようになるものです。

逆に言えば、面接で緊張しすぎてしまう理由は面接試験への練習不足であるとも考えられます。

毎年多くの受験生を見てきた面接官に練習不足で緊張していることが伝わるパターンが、面接で落ちてしまう人の特徴です。

看護学校・看護大学の面接を突破するポイント

以上をふまえ、看護学校・看護大学の面接を突破するポイントを整理します。

次の2つのポイントを意識して、面接での成功をつかみ取りましょう。

看護学を学びたい理由を深いところまで分析しておく

すぐにでも始められる面接対策は、看護学の志望理由を深掘りすることです。

看護師になりたいからという理由は王道ですが、さらに「なぜ看護師になりたいのか」と自分に問いかけてみてください。

入院したときにお世話になった看護師が魅力的だったからとか、医療関係者の家族を尊敬しているからといった答えが出てくるはずです。

しかし、その答えからさらにもう一段階「なぜそう思ったのか」を考えることが大切です。

多くの職業人に接してきた中で、看護職の人に特に強く魅了された理由があるはずです。

その理由をさらに考えてみることが自己分析・自己理解につながります。

結果的に、このような問いを重ねて出てきた答えこそが「本心からの言葉」として面接官に伝わる言葉になります。

自分の本心を探り理解することを優先し、その結果出てきた言葉やエピソードをもとに質問への回答集を作ることが面接突破につながります。

マナーを意識して生活する

短時間で合否が決まる面接だからこそ、第一印象が非常に大切です。

面接の間だけ作り上げるマナー意識は、上辺の志望動機と同様で面接官に見抜かれるリスクが高いです。

面接試験のある看護学校・看護大学を選んだ時点から、普段の髪型や服装を整えて生活しておきましょう。

同様に、姿勢や言葉遣いも意識しておくことがおすすめです。

普段から実践できていることは、面接だからといって意識したり不安に思ったりする必要がありません。

そのため、面接中に自分の印象を心配する必要がなくなり、面接官とのコミュニケーションに意識を集中させることができ、合格の可能性が高まります。

まとめ

本コラムでは、看護学校・看護大学の面接で受かる人と落ちる人の特徴と、それぞれの特徴から見えてきた面接突破のコツについて紹介しました。

科目対策と並行しながら面接対策をこなすのは大変ですが、面接対策は看護学や看護職への熱意を改めて自覚するチャンスです。

せっかくの機会をポジティブに捉えることができれば、面接対策をとおしてより志望度を高めることが可能です。

モチベーションを高めて受験対策を乗り越えていきましょう。

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この記事の監修者 山崎 敬太

山崎 敬太

筑波大学人間学群心理学類 卒業。

大学卒業後、英語講師として、難関大・医学部・看護学部・看護学校の志望者計300名以上に指導経験をもつ。

その後、小中高生向けキャリア教育事業の施設長として、生徒やご家族へ進路の相談援助を実施。

現在は医学部・看護学部・看護学校受験向けメディアのライターとしても活動中。

医学部や看護学部・看護学校の受験生に向けて、役立つ入試情報等を発信。