医学部を卒業する年齢は?医師になれるのは最短で何歳か解説
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医師になる目標を持つ人にとって、医学部への合格と同じくらい気になるのは、医学部を卒業できる年齢や医師になるまでのスケジュールではないでしょうか。
このコラムでは、医学部に入学してから医師になるまでのプロセスについて整理します。
「医学部を卒業できる年齢は?」
「医師になるのは何歳くらい?」
「どんな流れで医師になるの?」
そんな疑問を解決していきましょう。
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医学部を卒業できる年齢は?
医学部を卒業するまでに必要なのは、最短で6年間です。
他の多くの学部と異なり、日本に設置されている医学部はすべて6年制となっているためです。
本章では、医学部を卒業するまでのプロセスをパターン別に考えていきます。
※ここでは、主に医師を目指す人向けの医学部(医学科)について解説しています。一部、看護師などを目指す人向けの医学部保健学科など4年制の学科もあります。
最短期間で卒業する場合
医学部卒業の最短期間は6年です。
現役生として合格した場合、18歳で医学部入学することになります。
そのままストレートに進級できれば、24歳で医学部を卒業できます。
浪人や再受験を含めた入学者の最短での卒業時年齢は以下のとおりです。
■医学部入学時年齢に対する最短での卒業時年齢
入学時年齢 | 卒業時年齢 |
18歳 | 24歳 |
19歳 | 25歳 |
20歳 | 26歳 |
21歳 | 27歳 |
22歳 | 28歳 |
実際に多くの医学部生が卒業している年齢
医学部生の多くは、実際に何歳で卒業している人が多いのかを整理します。
文部科学省のデータを参考に、医学部生の卒業時の年齢を考えてみます。
まずは卒業までの期間について確認します。
令和2年度を例に挙げると、最短の6年で卒業できた医学部生は全体の84.0%です。
つまり、18歳で入学した医学部生の16%は、留年などの理由で最短である6年の期間で卒業ができていません。
具体的に何年で卒業をしているか、の公的なデータまでは公開されていませんが、医学部入学者の16%が7年以上を医学部生として過ごしていることになります。
続いて、入学時の年齢を確認します。
最短ルートでの卒業が令和2年度となる平成27年度の医学部合格者を例に挙げます。
■平成27年度の医学部合格者年齢内訳
年齢 | 合格者数 | 割合 |
18歳 | 4,364 | 33.6% |
19歳 | 4,492 | 34.6% |
20歳 | 2,068 | 15.9% |
21歳 | 822 | 6.3% |
22歳以上 | 1,234 | 9.5% |
同年度のように、医学部合格者のうち現役生と19歳、いわゆる1浪生がそれぞれ1/3程度で、その他の年齢が残りを占める傾向が続いています。
以上のデータをもとに試算すると、医学部へ現役合格して最短期間の6年で卒業するのは全医学部生の約28.2%となります。
計算上の最短ルートである「18歳で入学、24歳で卒業」という医学部生は決して多くはないことが分かります。
医学部は留年も多い
医師になるための努力は、入学後にも必要になってきます。
例年の傾向として、医学部生の約10~15%が留年を経験しています。
医学部での留年が多い理由は、大きく分けて2つあります。
1つめは、他の学部よりも進級条件が厳しい点が挙げられます。
各医学部は医師国家試験に合格できるようカリキュラムを組んでいるため、単位を1つでも落とすと留年になったり、そもそも単位を取れる基準の成績を高く設定していたりします。
2つめは、医学部への入学後にモチベーションを維持できなくなることがある点です。
医学部合格そのものが目標になってしまった一部の医学部生に、ある種の「燃え尽き症候群」に近い感覚が芽生えてしまう可能性があります。
結果として、医学部生として学問に身が入らないようになってしまい留年するケースです。
医学部生としての期間は、医師になるためのプロセスの一部です。
卒業が遅くなると医師になる年齢も高くなるので、注意しておきましょう。
医師になれるのは最短で何歳
医師になれる年齢は、最短で26歳です。
医師になるためには医学部の卒業が第一関門です。
続いて医師国家試験に合格しなければなりません。
ただし、医師国家試験に合格しただけでは医師として自由に活躍できるわけではなく、臨床研修を積む必要があります。
以上より、医学部を卒業して2年後、つまり26歳から医師として活躍できるようになるのが最短ルートです。
なお、臨床研修後に専門医を目指す後期研修があります。
必須の研修ではありませんが、より専門的な医師になるための研修期間があることも理解しておきましょう。
医師になるまでの流れ
本章では、医師になるまでの流れを確認していきます。
専門的な医師になるステップを含めると、医師になるには4ステップがあります。
①医学部を卒業する
②医師国家試験に合格する
③臨床研修を受ける
④後期研修を受ける
それぞれのステップについて、以下で具体的に確認します。
①医学部を卒業する
医師になる第一関門は、医学部への入学と卒業です。
医学部は入学までだけでなく、卒業までの難易度も非常に高いです。
医学部教育のカリキュラムは多岐にわたっており、並々ならぬ学習量が求められます。
特に重視されている要素のひとつは「臨床実習」です。
座学で得た知識と臨床現場を結びつけるため、他学部に比べ臨床実習の比重がかなり高いと言えます。
また、それぞれのカリキュラムに試験が設けられているため、すべての試験に合格する必要があります。
そのため、卒業までには多くの実習や試験をクリアする必要があります。
②医師国家試験に合格する
例年2月に実施される医師国家試験に合格することが医師になるステップの2つ目です。
本試験の受験資格として、医学部を卒業しているか同年度に卒業見込みである必要があります。
本試験の合格率は90%前後で例年推移しているため、合格難易度はそれほど高くはありません。
医学部教育のカリキュラム内容を、知識として確実に定着させておくことが大切と言えます。
③臨床研修を受ける
医師国家試験に合格したら、医師になるために2年以上の臨床研修が義務付けられています。
研修医の配属先は、医師臨床研修マッチングというシステムにより決定されます。
臨床研修の期間は「研修医」として、実際の医療現場で仕事をしながら臨床経験を積みます。
研修医としてさまざまな診療科を経験し評価を受けて、一人前の医師を目指します。
④後期研修を受ける
臨床研修を終えれば、ついに医師として本格稼働できるようになります。
ただし、専門医の取得を目指す場合は「後期研修」を受けることができます。
本研修を受講する場合は「専攻医」という呼び名で臨床経験を積みます。
臨床研修期間と異なり、目指す専門分野の診療科での経験を積みながら専門医を目指すのが後期研修の特徴です。
まとめ
このコラムでは、これから医師を目指す人の医師になるまでの流れや年齢について詳細に解説しました。
医学部への入学は医師になるための通過点に過ぎず、何年もかけてさまざまな試験や研修を重ねる必要があることが分かります。
大きな努力が求められるぶん、医師として活躍することは非常に価値の高いことと言えます。
医師という目標に向け、見通しをもって第一歩を踏み出しましょう。
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筑波大学人間学群心理学類 卒業。
大学卒業後、英語講師として、難関大・医学部・看護学部・看護学校の志望者計300名以上に指導経験をもつ。
その後、小中高生向けキャリア教育事業の施設長として、生徒やご家族へ進路の相談援助を実施。
現在は医学部・看護学部・看護学校受験向けメディアのライターとしても活動中。
医学部や看護学部・看護学校の受験生に向けて、役立つ入試情報等を発信。