医学部の足切りライン!足切りする理由や対策を解説
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2021年度入試からはセンター試験に代わり、大学入学共通テストを受験することになりますが、これまで同様、国立大学医学部では2段階選抜方式が取られ、第1段階選抜(通称「足切り」)が行われるでしょう。
2次試験の受験資格を得るためには、まずこの足切りを突破することが必須となります。
最新の状況を踏まえて対策を立てていきましょう。
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医学部の前期日程の足切り
一般に後期日程の方が受験生が集中するため倍率が高く、要求される水準も高い傾向にあります。
参考として最新の2021年のセンター試験の国公立大学医学部前期日程の足切りラインを見てみましょう。
2021年足きり(%) | 大学名 |
81 | 秋田大学 |
80 | 筑波大学 |
80 | 千葉大学 |
78 | 横浜市立大学 |
78 | 信州大学 |
78 | 高知大学 |
77 | 金沢大学 |
77 | 愛媛大学 |
76 | 東北大学 |
75 | 旭川医科大学 |
73 | 名古屋市立大学 |
72 | 大阪市立大学 |
70 | 大坂大学 |
69 | 浜松医科大学 |
68 | 福島県立医科大学 |
67 | 鳥取大学 |
67 | 徳島大学 |
64 | 長崎大学 |
59 | 東京大学 |
59 | 三重大学 |
倍率2〜3倍のところで区切られる大学が多いですが、年によっては足切りが行われないこともあります。
2021年に前期試験で足切りが行われたのは上記の19校でした。
ちなみに名古屋大学医学部(2021年度〜)ではそもそも足切りの制度が設けられていません。
足切りの制度も大学によって異なります。
出願者の倍率で区切る大学が大半ですが、名古屋市立大学医学部、神戸大学医学部、大阪市立大学医学部の3校では特定の点数によって足切りがなされます。
さらにこの2つの制度を組み合わせて、倍率と得点の両方の基準を設けているのが京都大学医学部、大阪大学医学部、徳島大学医学部です。
受験において最高峰の難易度を誇る東京大学理科3類の足切りラインがたった59%であるのを見ても分かるよう、前期日程は後期日程ほど足切りラインが高くはありません。
国公立大学医学部合格を本気で目指す受験生であれば、前期日程の足切りラインはそれほど気にしなくても大丈夫です。
医学部の後期日程の足切り
次に2021年共通テストの国公立大学医学部後期日程の足切りラインを見てみましょう。
2021年足きり(%) | 大学名 |
88 | 東京医科歯科大学 |
87 | 岐阜大学 |
87 | 浜松医科大学 |
86 | 千葉大学 |
85 | 三重大学 |
84 | 宮崎大学 |
84 | 鹿児島大学 |
83 | 佐賀大学 |
80 | 旭川医科大学 |
80 | 福井大学 |
79 | 奈良県立医科大学 |
77 | 琉球大学 |
76 | 山口大学 |
73 | 山梨大学 |
後期日程で足切りが実施されたのは上記の15校です。
千葉大学医学部後期日程(地域枠)、富山大学医学部、香川大学では足切りが実施されませんでした。
しかし合格するためには最低でも90%、できれば95%以上の得点率が欲しいところです。
大学入学共通テストで思うように得点できなかったときは、足切りが低く、かつ総合点に占める大学入学共通テストの点数の比重が小さい大学に出願すると良いでしょう。
後期日程には一般枠のほか、地域枠が含まれる大学もあります。
また、香川大学医学部、愛媛大学医学部で後期日程が廃止されると発表があったように、制度が変更される大学もあるので、出願要項を各自よく確認してください。
医学部受験の足切りとは?
足切りとは、出願者の人数の倍率や特定の得点によって2次試験の受験者数を制限する制度です。
足切りのラインを超えないと、そもそも2次試験を受験できなくなってしまいます。
国立医学部はそもそも前期後期それぞれ1校ずつしか出願できないので、貴重な受験機会を逃してしまわないよう、注意しましょう。
前期後期で足切りのボーダーも大きく異なります。
医学部受験で足切りが設定される理由
医学部受験は多くの方が受験をします。
医学部では定員の制約や質の高い教育を確保するために、厳しい選抜基準が設けられています。その中で行われる足切りは、需要と供給のバランスを取るために設定されています。
医療現場では高度な知識や技術を身につけた医師が必要とされます。医学部には限られた教育リソースしかありませんので、足切りを通じて適切な定員を維持し教育の質を確保する必要があります。
また、医学部受験は単なる知識の暗記だけではなく、問題解決能力やコミュニケーションスキルなど総合的な能力の発展を求められます。
将来の医師として必要な能力を持つ学生を選び出すことが、足切りが設定されている理由です。
医学部受験で足切りされないための対策
医学部受験は厳しい競争が予想されるため、足切りを回避するための準備が重要です。
まず第一に、入学共通テストで高得点を取ることを目指して学習を進めましょう。医学部受験では、科学系の基礎知識や問題解決能力が求められます。過去問題を解いたり、模擬試験を受けたりすることで自身の学力を確認し、不足している分野に集中的に学習することが必要です。
また、志望校の入試制度や選考基準を把握し、それに合わせた対策を立てることも重要です。予備校や塾の受講や個別指導など、専門的なサポートを受けることも有益です。
効率的に学力を高めるには、計画的な学習と時間管理が必須です。長期的な目標を立て、それに向けて段階的に学習スケジュールを組み立てましょう。定期的な自己評価を行い、進捗状況を確認しながら着実に準備を進めていきましょう。
医学部受験は困難な道のりですが、適切な対策と努力を重ねることで足切りを回避することは十分に可能です。自身の目標に向かって努力を続け、諦めずに最後まで頑張りましょう。
医学部受験で足切りは毎年行われる?
医学部受験における足切りは、毎年行われるものではありません。
一部の大学では毎年足切りを行っている場合もありますが、すべての大学で必ずしも毎年足切りが行われるわけではありません。
足切りは、応募者の数や選考基準、学部の定員などに応じて柔軟に設定されます。大学は、医学部を受験する学生の質や数、教育環境、人材需要などを総合的に考慮し、受験者を選ぶための基準を設けます。つまり足切りは、学部内の学生数を調整し、教育の質と効率を確保することが目的です。
具体的な足切りの有無や基準については、各大学の公式ウェブサイトや入試案内などで確認しましょう。
医学部受験の足切りまとめ
本コラムでは医学部受験の足切りについて解説しました。
最後に注意点として、2次試験出願には受験科目の指定があります。
必ず募集要項を確認して不足のないように申込み・受験しましょう。
大学入学共通テストの得点は、2次試験出願時にはまだ開示されないので、自己採点に基づいて出願先を決めることになります。
ですから試験の際には必ず自分の選んだ選択肢が後で見て分かるように問題用紙に印を残し、自己採点は正確にしましょう。マークミスも命取りです。
それでも受験科目の不足で出願が受理されなかった場合や、点数が足りず足切りで不合格となってしまった場合は、検定料返還請求書に必要事項を記入し所定の宛先に郵送しましょう。
関連コラム:医学部の受験科目は?国公立・私立それぞれ解説
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