医学部の実習とは?~現役医学生が詳しく解説~
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受験生の皆さんの中には医学部での授業について気になっている人も多いのではないでしょうか。
医学部の授業は大きく分けて二つあり、座学と実習に分けられます。
座学について大枠の授業スタイルなどは他学部とは変わりませんが、一方で医学部の特色が大きく出てくるのが実習です。
今回は医学部で行われる様々な実習について現役医学部生が詳しく解説します。
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まず医学部の実習とはどのようなものがあるのでしょうか。
・教養科目での実習
・BLS講習・上級救命講習
・地域医療実習(低学年)
・他学部との連携教育
・各科目の実習(基礎医学・臨床医学)
・病院実習(主に5・6年次)
主に以上のような実習があります。実習の内容や頻度・時期に関しては大学ごとにかなりばらつきがありますので、志望校の実習が気になる場合はパンフレットを参照してみると良いでしょう。
ここからはそれぞれについて特徴を詳しく解説します。
教養科目での実習
医学部では医学しか勉強しないと思われがちですが、他学部より短い期間ではありますが教養課程が存在します。
総合大学では文化系、理科系問わず教養科目を選択することができますが、単科医科大学であると教養課程の授業は理科系の授業が多く占めることもあるようです。教養科目の中には実習のある科目もあります。私が実際に体験したのは心理学の実習でした。
目隠しや白杖を用いて歩行にどの程度影響が出るのかということを検証しました。医学に関係のある教養科目の実習では医療系の他学部の学生と仲良くなることも多く、有意義だったのを記憶しています。
他にも実習を行い、それに基づいてレポートを課すという形式のスタイルをとる授業が理科系の科目では特に多いです。
BLS講習
救命救急の基礎を学ぶ講習です。入学してすぐに行われ、半日かけて救急科の医師とともに応急措置の基礎について学びます。
講習を受け終わるとBLSバッチという(一応の)資格が付与されます。
将来医療従事者となるに当たっては基礎中の基礎の資格ということが出来るでしょう。自分で講習を受け資格を取得しようとすると数万円かかる場合もありますが学部の特性上無料で講習を受講できる場合がほとんどです。
地域医療実習
低学年では地域医療実習が多くの大学で行われます。
はじめての「医学部らしい」実習であると言うことが出来るでしょう。一般に各大学病院は全国の市中病院と連携しています。この実習では大学病院のような総合病院ではなく、終末期医療・精神科病棟など、ある程度の専門性を持った病院で一週間ほど住み込みで実習を行います。
夜勤・当直も経験することができ、医師やコメディカルの様々な職種の方と関わることが出来ます。医療行為を行うことは出来ないため実習中は診察の同行・カルテ閲覧・食事介助・配膳などを行います。
関連病院の先生方の多くは自大学のOBであることが多く、かなり手厚いサポートを受けられることもこの実習の特徴です。大学に入学して気が緩んでくるひとも中にはいますが、この実習を通じて身を引き締めることが出来るでしょう。
他学部との連携教育
医学部の実習では他学部との連携教育も特徴的でしょう。
多くの大学の医学部には薬学部・看護学部が併設していることが多いです。単科医科大学という場合でも提携している看護学部などが存在している場合がほとんどです。
他学部連携教育では、医師は将来医師だけではなく薬剤師・看護師などの医療系の他職種と働くことが重要になってくるため学部生時代から早期教育として他学部の人と適切なコミュニケーションを取れるようになっておこうというのが狙いです。
六年間で複数回行われ、学年が上がるにつれ専門性が上がっていきます。低学年では脱出ゲームなどのアイスブレイク的な内容ですが、高学年では症例検討で、それぞれ各学部からの視点で議論を行うこともあります。
各科目ごとの実習
冒頭でも述べましたが医学部の授業では、各科目最初は座学で基本的な知識をインプットして実習でアウトプットするというスタイルを取っています。
教養科目では化学実験・物理実験・生物実験など基本的なものを、基礎医学では組織学・病理学の標本スケッチ、生化学・生理学でのマウスを用いた実験・解剖などを行います。
臨床医学ではここからさらに応用して電子顕微鏡を使ったり、被験者を雇って実際に生きた人間からデータを取ったりすることもあります。このようなスタイルで授業が進むことによって膨大な医学知識を少しでも定着させやすくしようというのが狙いです。
実習では班ごとに実習書に定められた実験を行った後、結果について発表し議論する場が設けられることがほとんどで自分の考えを他人に正しく伝える発信力などが養われます。
病院実習
大学によってはポリクリやクリクラとも呼ばれる臨床実習です。
受験生の皆さんにはもっとも想像が付きやすいかと思います。これは医学部の5 ,6年生(大学によっては4年生から)時に、実際に病院の各診療科を回って行われます。医学部を卒業してから行われる初期研修の予行のようなものだとイメージしておけば良いでしょう。
学生はStudent doctorとして自大学の附属病院にて各診療科をローテーションする形で指導医の先生について回ります。診療科によってスケジュールはバラバラで長い時間拘束される場合もあれば、すぐに帰らせてくれるところなど様々です。
また地域医療実習などでは大学病院以外の市中病院(いわゆる外病院)に行くことなどもあり、体力が求められる二年間となるでしょう。
最後に
ここまで医学部の実習について解説しました。
医学部の実習といっても一概に医学に関係するものばかりではないことが分かったと思います。
臨床実習では、特に各大学ごとに独自のカラーが出てカリキュラムが大学ごとに異なるため、是非確認してみましょう。
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