他学部卒業後や社会人を経てから「医師の道にチャレンジしたい」と考え医学部受験を目指す、いわゆる「再受験者」は決して少なくありません。

再受験者にとっての不安のひとつは、年齢によるデメリットの有無ではないでしょうか。

本コラムでは、特に20代後半から医学部受験にチャレンジしようと考える人にとって、年齢が医学部受験にどんな影響をもたらすかを詳しく解説していきます。

本コラムの情報を医学部へのチャレンジの足がかりとしてくださいね。

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医学部受験に年齢制限はある?

結論として、医学部受験に年齢制限はありません。

年齢にかかわらず志望する医学部へ出願できます。

とは言いつつ、年齢によって合格に不利になる医学部があることも理解しておきましょう。

年齢別の入学者データを整理してみることで志望校選びの重要性を理解できます。

国公立大学医学部をいくつかピックアップして、公表されている最新データの2021年度入学者の年齢構成を確認してみましょう。

◆各大学医学部における年齢層別の入学者数(2021年度)

25歳未満25~29歳30~39歳40歳以上
滋賀医科大学86名4名4名1名95名
島根大学87名10名4名1名102名
奈良県立医科大学110名1名2名113名
横浜市立大学88名1名1名90名
京都大学108名108名
出典:大学改革支援・学位授与機構「大学基本情報」(https://portal.niad.ac.jp/ptrt/table.html

社会人経験を経てから医学部受験にチャレンジする再受験者の場合、年齢としては20代後半以上で受験に臨むことが多いでしょう。

「25歳以上」での受験から医学部合格をつかみ、医学部入学を決めた再受験者は大学ごとに大きく数が異なることを上述の表から読み取れます。

表内の大学のうち、再受験者に寛容とされる医学部を持つのは滋賀医科大学と島根大学です。

いずれも「25〜29歳」「30〜39歳」の入学者を複数名受け入れています。

さらに「40歳以上」の入学者を迎え入れており、25歳以上の入学者の割合が10%程度です。

多くの再受験者が合格・入学していることからも、滋賀医科大学や島根大学は年齢によるデメリットの比較的少ない医学部と考えられます。

一方で、表内の奈良県立医科大学や横浜市立大学の入学者は大半が「25歳未満」です。

100名前後の定員を設けながら、25歳以上の入学者が3%未満に留まっています。

さらに表内の最下段にある京都大学は、入学者全員が「25歳未満」となっており、25歳以上の再受験者にとって厳しい大学であると言えます。

なお、これらの大学医学部の年齢層別の入学者数は例年同様の傾向を示しています。

以上より、特に25歳以上の再受験者にとっての志望校選びは、医学部合格のチャンスを少しでも拡大するためにかなり重要な対策のひとつと言えます。

年齢により合格しにくい大学がある理由

年齢制限のない医学部受験ですが、年齢により合格しにくい大学があることも事実です。

続いては、年齢がネックとなって合格しにくい大学がある理由についてチェックしてみましょう。

次の3点が主な理由として考えられます。

医師として働ける期間が短くなってしまう

当然ながら、入学時の年齢が高ければ高いほど卒業時の年齢は高くなります。

卒業時の年齢が高いということは、医療現場などで活躍する期間が短くなるということです。

医師国家試験を受けられる医学部は6年制となっているため、特に年齢のネックが顕著になります。

大学側の視点になって考えてみましょう。

学生一人当たりにかける教育コストが変わらないのであれば、卒業後に長期間の活躍が見込める人材に投資したいというのは自然な考えですよね。

次の受験生A・Bが分かりやすい例になります。

A:20代後半から医師として活躍してくれる見込みが高い20歳前後の現役生・浪人生

B:もしかすると医療現場に出られるのが40歳頃になるかもしれない30歳前後の再受験者

年齢以外の要素を全く加味しない場合、大学側が選びたいのはAとなるのも無理はありません。

以上より、年齢により合格しにくい大学がある理由のひとつは、大学側の投資コストとの兼ね合いという点です。

入学後に留年してしまうケースが少なくない

再受験者が合格しにくい大学は、再受験者が入学後に学業不振に陥ることを危惧している可能性があります。

受験勉強などのインプット学習に必要な情報処理力や記憶力のピークは10〜20代とされています。

そのため、医師になるために膨大なインプットが求められる医学部での学業に、再受験者たちが入学後に苦労することが多くなると予想されます。

強い意志で受験勉強をクリアしたにもかかわらず、さらなる知識量のインプットを前に挫折したり遅れを取ったりする可能性が生まれます。

また、再受験者には家庭を築いている人や介護を担っている人もいます。

家庭の事情が絡み、学業に専念できなくなるリスクも現役生・浪人生に比べて高いと言えます。

結果として、医師になって活躍する期間が短くなったり、医師の道からドロップアウトしたりすることにつながりかねないと考えられます。

医療業界以外の選択肢を取りやすい

社会人経験を経てから医学部で学び医師免許を取得した人は、非常に幅広い経験と実績を兼ね備えていると評価されやすいです。

一般企業などへの就活、医学部受験、そして医師免許取得と数々の難関をクリアしてきたからこそ、医療業界に限らず活躍の場が存在しています。

実際に、教育業界やメディア業界へ進む医学部卒業生も少なからず存在します。

医師国家資格への合格を目指した教育を提供する側からすると「他のフィールドではなく、医療業界で活躍する人材がほしい」と考える大学があっても不思議ではないでしょう。

結果として、再受験者は医療業界以外へ進むケースを懸念されることがあるため、長期間キャリアを積んでいればいるほど逆に合格しにくい大学も存在することになります。

30代、40代以上で医学部に合格するポイント

本章では、30代、40代以上の人が医学部に合格するためのポイントについて整理します。

以下3つのポイントを実践することで、医学部合格の可能性を高めることができますよ。

年齢が上の人にも寛容な大学を選ぶ

「目標」が間違っていなければ、正しい努力は必ず実を結びます。

医学部合格のためには「年齢に寛容な大学」を選ぶことが最優先です。

前章までに触れたとおり、受験生の年齢に寛容な大学と寛容ではない大学が存在しています。

これから志望校を選ぶのであれば、年齢に寛容な大学に絞ってから選択してみてください。

私立大学に比べ国公立大学のほうが年齢に寛容な医学部が多い傾向にあります。

すでに志望校が決まっている場合、その大学医学部の合格実績をしっかりチェックすることをおすすめします。

例年の傾向であれば、年齢に寛容な大学には過去データを数年さかのぼる間に30代以上の合格実績が見受けられます。

再受験の先駆者による合格実績があれば安心して目指して問題ない大学と言えるでしょう。

30代、40代以上でもまっすぐに勝負できる志望校を定め、コツコツと努力することが大切です。

予備校を活用する

1年でも早く医師として活躍する未来を実現するためには、医学部合格までの最短ルートを突き進む必要があります。

そのためには、正しい努力の方法を実践しましょう。

30代、40代以上の人が「正しい」努力の方向性を知るためには、予備校を活用することがおすすめです。

予備校を使う大きなメリットは、医学部受験のプロによる情報提供とマネジメントが受けられることです。

現状とのギャップを埋めるための適切な勉強方法、最新年度の入試情報、入試に向けた科目学習以外の対策などを事細かに知ることができるのは、予備校を利用する人ならではの特権です。

また、30代、40代以上の人におすすめなのはオンライン予備校です。

自宅や職場からの移動時間の短縮ができ、スキマ時間を有効に活用できるオンライン予備校を活用して情報戦で一歩リードしましょう。

覚悟を持って取り組む

これからチャレンジする医学部受験がとても高いハードルであることを理解して、覚悟して臨むことが重要です。

医師を夢見て医学部受験にチャレンジする人は多く、合格をつかみ取ったごく一部の人の影には不合格に泣いた数多くの受験生がいます。

医学部合格へのチャレンジは決して簡単なものではなく、ましてや30代、40代以上の人にとってはさらに難易度が高いものです。

大きな目標のためには、学生以上に人生を勉強に費やすことになるでしょう。

それほどの覚悟をしっかり持てるかどうかが、夢が叶うかどうかの大きな分岐点です。

まとめ

本コラムでは、医学部受験における年齢制限の有無や年齢のデメリットについて整理しました。

医学部受験に年齢制限はありませんが、年齢によって合格しにくい大学があることをチェックしました。

しかし一方で、30代、40代以上の再受験者に寛容な大学があるのも事実です。

正しい目標を定め、正しく努力を重ねることで医学部合格を勝ち取れる可能性はあるということです。

再受験者に寛容な大学を選び、合格に必要な勉強方法を実践するためには、医学部受験のプロの指導を受けるのが最も効果的です。

再受験にも対応しているオンライン講座を活用し、再受験者ならではの受験勉強をスタートさせてくださいね。

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この記事の監修者 山崎 敬太

山崎 敬太

筑波大学人間学群心理学類 卒業。

大学卒業後、英語講師として、難関大・医学部・看護学部・看護学校の志望者計300名以上に指導経験をもつ。

その後、小中高生向けキャリア教育事業の施設長として、生徒やご家族へ進路の相談援助を実施。

現在は医学部・看護学部・看護学校受験向けメディアのライターとしても活動中。

医学部や看護学部・看護学校の受験生に向けて、役立つ入試情報等を発信。