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医学部受験で生物選択を勧める理由・メリットは?【物理より有利】

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高校1年生か2年生の秋頃には文理選択、そして医学部志望であれば理系なので、理科の科目選択があることでしょう。
特に難関大学医学部を目指す受験生の方は、物理と化学の2科目を選択することが多いでしょう。

今回は理科選択に迷われている受験生に向けて、特に生物にフォーカスを当てて説明したいと思います。

理科は何科目必要?

高校で履修する理科の科目には、物理、化学、生物、地学の4つがあります。
このうち、地学は理系で履修できる高校も、受験できる医学部もはかなり限られますし、対策も取りづらいので割愛します。

※東京大学理科3類、金沢大学医学部、信州大学医学部、名古屋市立大学医学部、愛媛大学医学部では物理、化学、生物、そして地学の4科目のうち2科目を選択することができます。

基本は2科目選択

すると、医学部受験においては一般的に理科3科目(物理、化学、生物)のうち2科目を選択して受験する必要がある、ということになります。

※2018年度まで、九州大学医学部ではセンター試験で生物を、二次試験で物理、化学を受験することが求められたので、3科目が必要でした。しかし制度変更により、2019年度から理科2科目での受験が可能になりました。

生物選択では受験できない医学部もあるので、注意が必要です。
佐賀大学医学部では大学入学共通テスト、2次試験において物理、化学の2科目での受験が必要です。

佐賀大学の例は特殊なので、基本的に物理、化学、生物の3科目の中であれば、どの2科目を選んでも入試制度上は問題ありません。

1科目で受けられる医学部も

ただし、帝京大学医学部では科目の選択によっては理科1科目で受験することが可能です。
また、東海大学医学部、兵庫医科大学一般B高大接続型でも理科1科目での受験が可能です。

どの科目を選べば良い?

ではどうやって高校で履修する、または受験で使う理科2科目を選択すれば良いのでしょうか。
結論から言うと、あなたの好きな科目、興味のある科目を選ぶのが1番です。

ただ、この記事を読んでいる医学部受験生の皆さん、医学部を受験して医師を目指すのに、「生物には全く興味がない」というのは考えものです。
これから学ぶ医学の基礎になるのが高校の生物という科目です。

物理や化学が好きならば、理系の学部は他にいくらでもあるでしょう。
受験に有利だという噂に流されて、物理、化学選択にするのもいかがなものでしょうか。

生物が好きだけど生物選択にはしないでおこうかと悩んでいる受験生の方は、どうか好きという気持ちを大事にしてください。
繰り返しますが、好きこそ物の上手なれ。
好きな科目を選ぶのが1番です。

生物選択は少数派?

受験生の多くは物理、化学の2科目を選択する傾向があります。
いわゆる「物化選択」ですね。
化学、生物を選択する「化生選択」や物理、生物を選択する「物生選択」、その他地学を含む選択者は非常に少ない傾向にあります。

参考までに、令和2年度の理系受験者の科目選択内訳割合を表にしました。

科目 物理 化学 生物 地学
  物理 134, 641人(74. 0%) 860人(0. 5%) 497人(0.3%)
  化学 45, 309人(24.9%) 194人(0.1%)
  生物 393人(0.2%)

選択科目にこんなにも偏りがあるのは一体なぜでしょうか。
これは、「生物は高得点が取りにくい」と言われていることと、「生物選択は受験に不利」と巷で噂されていることの2点が大きいでしょう。

「生物は高得点が取りにくい」?

数学が得意な受験生にとっては、物理は確かに一度本質的に理解してしまえば、満点を取りやすいというメリットがあります。

確かに生物はそれに比べると、安定して高得点を取れるようになるのは難しいかもしれません。
生物という科目を本質的に理解するのは、受験の出題範囲であっても不可能ですし、試験では毎回初見の問題が出題されるからです。

「生物選択は受験に不利」?

生物選択は受験に不利、と言われているのには、先に述べた点数的な面のほかに、制度的な面が挙げられます。
生物選択だと受験できない大学があるのは事実です。
ただしそれも一部の国公立大学の工学部の話です。

この記事を読んでいる皆さんは医学部受験を目指しているはずです。
生物選択は医学部受験においてはほぼ不利になりません。

※先程述べたように、佐賀大学医学部は生物選択では受験できないので、注意してください。

生物選択のメリット4つ

医学部を目指しているということであれば、生物選択はほとんど不利になることはありません。
それどころか大きなメリットが数多くあるのです。

なお、同じ生物選択でも物生選択は受験においてはメリットもありますが、医学部入学後に苦労することも多いでしょう。
医学の勉強においては生物、化学の知識が重要になってくるからです。
ここでは化生選択について考えます。

安定した得点源にできる!

受験ではトップの成績を取れる必要は全くありません。
まぐれで高得点を叩き出すよりも、安定して合格点以上の点数を取れることが重要であるのは当然のことでしょう。
生物はこれにはもってこいです。
確固たる基礎力を身につけることは大前提となりますが、安定した点数を取れるのは大きなアドバンテージになります。

過去のセンター試験をもとに、大まかな得点分布表を作成しました。
いずれの科目も平均点は例年60点前後ですが、得点分布には大きな違いがあります。

「物理は満点を取りやすい」というのはグラフを見ても分かるように、確かに事実です。
ただし、丸暗記によらない本質的理解が必須なのは言うまでもありません。
しかし、一度計算ミスをしてしまうと連鎖的に一気に失点してしまうというリスクがあります。
得点の振れ幅が大きい物理は「ハイリスクハイリターン」の科目と言えるでしょう。

一方、生物は「ミドルリスクミドルリターン」の科目と言えます。
満点は取りにくいですが、安定して7〜8割を取れるレベルを目指すのは簡単です。
試験本番で大失敗してしまうリスクも少ないです。
物理や化学に比べて複雑な計算問題がないこと、独立した設問が多いので連鎖的に間違えてしまう危険が少ないことが理由として挙げられます。

暗記ばかりではない面白さ

生物は暗記量が多くて大変だ、面白くない、という声も聞かれます。
しかし、生物の学習を進めるうちに、その奥深さに驚かされることでしょう。
皆さんが入学後に学ぶことになる医学と生物は、とても密接に関わり合っています。
高校生のうちに医学の基礎となる生物の面白さに触れておくことは、大きな意義のあることでしょう。
そもそも生物に全く興味が持てないというのであれば、医学部以外の理系学部に進学するという選択肢も考えると良いでしょう。

受験に必要な理科科目の暗記量は、「生物>化学>>物理」となります。
確かに暗記量は化学と同じくらい膨大ですが、レベルの高い医学部になればなるほど、入試における知識色は薄れ、思考力重視の問題となります。
初見の題材も多く出題されますが、根本的に必要なのは与えられた資料を正確に読み解いて、論理的に因果関係を考える力です。

化学にも生物の知識を活かせる

高分子化合物のうち、天然高分子化合物の範囲では糖、アミノ酸、タンパク質、核酸の分野は生物選択者にとって、どれも馴染みがあるでしょう。
酵素反応論も頻出の分野です。
高校化学の中では最後に学習する分野であり、暗記量、計算量も多いこの分野。
生物範囲に馴染みのない受験生には取っつきにくくもありますが、生物選択者であれば、比較的取り組みやすいでしょう。

入学後も有利

多くの場合、教養科目として医学部1年次では理科3科目を全て履修することになります。
この時、高校の生物を履修していなかった学生は、膨大な生物の学習範囲に苦しめられることになります。

入学後、物理の勉強についていけるか?と不安に思う方もいるでしょう。これは心配する必要はありません。

なぜなら、以下の3点が理由として挙げられます。

医学部の物理の授業は未習・既習に分かれる

大学の化学、生物の授業は高校での履修の有無に関わらず全員共通ですが、物理はコースが分かれていることが多いです。
物理をしっかり学んだことがない学生でも、基礎から授業で学べるので、十分手に負えるでしょう。
試験も既習生より簡単な試験が課されます。

物理は暗記量が少ない

大学入学後から勉強を始めても十分に追いつける暗記量です。
公式さえ使いこなせるようになれば、大学の試験レベルでは支障ないでしょう。

物理が関与する分野は少ない

化学、生物は医学と密接に関わっています。
一方、放射線技術を医学に応用させる医学物理学を専門にしたいわけでもない限り、物理という科目が大きく関わってくることは少ないです。

以上が生物選択のメリット4つとなります。

まとめると、

・科目の選択によって制度上、大きく有利・不利になることはないので、好きな科目を選べば良いです。

・ただし医学部を目指すのなら、長期的視点でもメリットが多いので生物選択がお勧めです。

・生物という科目にどうしても興味を持てないのであれば、理系他学部も考えると良いでしょう。

この記事を参考に、ご自身の進路、学びたいことについて、今一度考えてみましょう。

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