医学部受験におすすめの化学の参考書・問題集8選
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「医学部受験の化学の対策は、何から始めればいいの?」という悩みは、医学部受験に向けた第一歩を踏み出すと必ず通る道です。
医学部受験に必要な化学の力をつけるためには、教科書や過去問だけでなく、適切な参考書を選ぶことが大変重要です。
このコラムでは、医学部受験の特徴をふまえた化学の参考書選びの基準、そしておすすめの参考書・問題集をお伝えします。
自分に合った参考書選びをして、医学部受験の成功に近づきましょう。
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医学部受験における化学の重要性を、医学部受験の特徴から確認しましょう。
配点が低いからこそ効率が重要
各大学の化学の配点率を確認します。
国公立大学医学部では化学の配点が15%程度、私立大学医学部ではばらつきはあるものの10~25%程度を占めています。
◆主要大学医学部入試における化学の配点と割合
大学 | 共通テスト(配点/満点) | 個別学力試験(配点/満点) | 化学の配点率 |
京都大学 | 25/250 | 150/1,000 | 14.0% |
金沢大学 | 50/450 | 150/1,050 | 13.3% |
東京慈恵会医科大学 | ー | 100/400 | 25.0% |
日本医科大学 | ー | 100/1,000 | 10.0% |
※「理科2科目」配点の50%で算出
「それほど配点は高くないのでは?」と感じる方も多いでしょう。
しかし、だからこそ化学の得点が合格に直結すると言っても過言ではありません。
多くの医学部においては英語・数学の配点が高いことから、2科目の対策に多くの時間を割くことになります。
その結果、化学の十分な対策をできずに受験に臨み、合格まであと少しの得点を化学で上乗せできなかったというケースもみられます。
配点率が低いからこそ、効率的に十分な対策をする必要があるのが医学部受験における化学です。
限られた時間を有効活用して化学をマスターするために、参考書を使った化学の学習がとても重要です。
「理屈」にフォーカスした対策が必須
難関といわれる医学部受験においては、丸暗記だけでは解けない問題が多く出題されます。
医学部生になる適性を問われる受験において、化学では「なぜそうなるか」を言語化できるかどうかを試されています。
「なぜFeやNiは不動態になるのか」
「ファンデルワールス力はなぜ生じるのか」
このような理屈を知ることが大切です。
化学事象名の知識も必要ですが、その裏にある「理屈」を言語化できることが医学部受験に必要なスキルです。
そのため、教科書レベルの学習に加えて、理屈を知って説明できるようになる対策が不可欠となってきます。
医学部受験における化学の参考書の選び方のポイント
医学部受験における化学の重要性をふまえ、参考書選びのポイントを整理します。
効率的に学習するため、3つのポイントで参考書選びを行いましょう。
最新の入試傾向に対応している
日常生活に密接にかかわる化学は、日々新たな研究によって出題傾向が目まぐるしく変化しています。
例えば、新たに発見された元素や発見過程、化学反応を用いた新たな日用品や工業用品などは出題されやすいといえます。
そのため、過去問の傾向だけにとらわれない対策が必須です。
最新の入試傾向や情報を網羅した参考書が、効率的な化学の対策にはぴったりです。
現在のレベルや得意不得意に応じた学習ができる
限られた時間で医学部合格レベルに得点力をつけるには、1ページ目から読み進めるタイプの参考書は不向きです。
化学へ必要以上に時間を割いてしまうことで、入試の総得点に影響を及ぼす可能性があります。
医学部受験の化学では、教科書レベルの理解ができたうえで苦手な単元や出題形式をピンポイントで対策する勉強法がおすすめです。
必要な情報を吸収しやすい、読み飛ばし可能なタイプの参考書が効率的な化学の対策につながります。
化学の「辞書」として使える
医学部受験の化学では、単元の垣根を超えた複合問題がよく出題されています。
ある1問から多岐にわたる単元の知識や解法を問われることが特徴です。
この出題を英語で例えるなら、長文読解問題といえるでしょう。
そして、長文読解の復習のときには必ず辞書を用意するかと思います。
化学においても同様で、複合問題の復習に「辞書」代わりのものがあることでスムーズなインプットが可能です。
「問題自体に正答はできたが、説明できない言葉が出てきた」ということは過去問を解く中でよくあります。
正答できると復習を忘れがちですが、そういった単語や理論こそが次の入試で出題されるといえます。
気になった化合物や化学反応、もう一度確認しておきたいと思った理論などをすぐに確認できる参考書を一冊持っておきたいところです。
医学部受験におすすめの化学の参考書
上述のポイントをふまえ、おすすめの化学の参考書・問題集を紹介します。
どれも医学部受験の成功にグッと近づける参考書・問題集です。
参考書
大学受験Doシリーズ (理論化学・無機化学・有機化学)
医学部受験対策をスタートさせるとき、まずは確認しておきたい参考書です。
単元ごとにシリーズ化されているので、必要な単元のものだけ用意するのもおすすめです。
現役の化学講師が最新の入試傾向をふまえて解説を展開しているため、化学で得点するための力をスムーズに獲得できます。
化学の参考書の中では丁寧な解説になっているので、現時点で化学に自信がない人でも活用できる参考書です。
化学の新研究
化学を得点源にするため「化学事象の理屈をもっと知りたい」という人におすすめの一冊です。
参考書の中でも解説文が特に充実していることが特徴的で、化学の理解をとにかく深めるのに最適です。
「なぜそうなる?」を何度も深めて解説しているため、読むだけで化学に必要な思考力が自然と身につきます。
まさに医学部受験に必要な対策そのものを同書では実践できます。
注意したいのは、基礎を復習したり丁寧にポイントを学んだりするには同書は向いていません。
難関大学や難関学部の受験に主眼を置いた参考書なので、基礎力を身につけたうえでプラスアルファを目指すときに効果を発揮します。
共通テストの模試などで平均80%以上の得点力に到達したときが、同書を活用するタイミングの目安です。
化学チャート式 新化学
過去問や模試を繰り返し解く実践のタイミングで手元に置いておきたい一冊です。
1ページ目から順に読み進める必要はなく、苦手なところや気になったところをピックアップして熟読できることが特徴です。
また、必要な情報にスムーズにたどり着ける「辞書」としての機能も兼ね備えています。
過去問や模試の復習をスムーズに、そして効果的にサポートしてくれます。
加えて、単元ごとの問題や入試の枠にとらわれないコラムが豊富にあります。
知識をインプットする過程で、アウトプットできる知識として定着させることができているか、他の化学事象と関連づけて理解できているかを把握しながら学習できる参考書です。
問題集
化学の良問問題集
「化学の良問問題集」は旺文社から出版されている問題集です。著者は元桐朋中学校・高等学校教諭の中道淳一氏で「化学は暗記より理解から」をモットーにわかりやすい授業で定評があります。
問題集の構成は問題編232ページ、解答・解説編224ページの大ボリューム。大学入試で類題の出題が予想されている問題集となっています。
化学基礎や化学で押さえておくべき問題を「確認」「必須」「レベルアップ」の3段階で掲載されています。また、解きたい問題を探せる学習ナビゲーターが付いている点もポイント。
問題編と解答編は2冊に分離させることができ、使い勝手も申し分なしです。
化学の新演習
「化学の新演習」は三省堂から出版されている問題集です。新課程に対応しており、効率よく受験対策を講じられます。
難関大学に合格した多くの受験生からは「難易度が高め」との感想もありますが、難易度が高い分、演習目的には十分といえるでしょう。解説と解答冊子は取り外せる点もポイントです。
難易度が高いため最初から手を付けるのではなく、ほかの重要問題集などで基礎を高めてから挑戦するのがいいかもしれません。
ページ数は全部で194ページあり、1日15問解けば1~2か月程で終わるボリュームとなっています。
化学 重要問題集
「化学 重要問題集」は数研出版から出版されている問題集です。難関大学入試にも対応しており、受験生にとって定番となっています。
重要問題集のクオリティは従来と変わらず、新課程に対応。
全国の入試問題から良問だけを厳選し、最新の入試傾向も掴んだ内容となっています。各章は「要項」「A問題」「B問題」の3段階で構成されています。
また、巻末に掲載されている補充問題は受験勉強の仕上げにおすすめです。
さらに小冊子として「入試直前整理」が別冊付録として付属。入試直前の最終確認に重宝します。
化学 標準問題精講
旺文社から出版されている「化学 標準問題精講」は、難関私立大学、国公立の二次試験の演習に役立つ問題集です。
「精講」では問題に関する知識を整理し、さらにその知識を使うための実践的な手段が解説されています。
また、重要事項や必須事項を枠組みで掲載してあるため、重要ポイントをおさえながら効率よく学習できるでしょう。
問題は別冊に収録されており、取り外しての使用が可能です。解答は冒頭に掲載し、照合しやすいよう工夫がされています。
エクセル化学
「エクセル化学」は実教出版から出版されている問題集です。国公立二次試験や私立大学まで幅広く対応しています。
化学の基礎から見直しができ、入試対策まで段階的に学習できる構成となっています。
また「基本問題」「応用問題」は扱う内容を1テーマに改訂。「発展問題」に関しては、レベルを2段階に分けてあるため、理解度を深められます。
一部の項目や問題にはQRコードが設けられており、問題の解説動画や実験動画の視聴が可能です。
医学部受験の化学参考書・問題集おすすめまとめ
医学部受験において、参考書選びは合格への鍵を握ります。
化学の問題は年々変化しており、最新情報を網羅した参考書・問題集が重要です。自分の学習レベルに合った参考書を選び、弱点を効率よく克服することが必要です。
これらのポイントを押さえて、最適な参考書を選びましょう。
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▶資料請求して特典を受け取るこの記事の監修者 山崎 敬太
筑波大学人間学群心理学類 卒業。
大学卒業後、英語講師として、難関大・医学部・看護学部・看護学校の志望者計300名以上に指導経験をもつ。
その後、小中高生向けキャリア教育事業の施設長として、生徒やご家族へ進路の相談援助を実施。
現在は医学部・看護学部・看護学校受験向けメディアのライターとしても活動中。
医学部や看護学部・看護学校の受験生に向けて、役立つ入試情報等を発信。